優秀発表Ⅴ

[XYS-19-03] アミノ酸バランス改善飼料の給与が育成期採卵鶏の生育および窒素排せつ量に及ぼす影響

*Risa Shimada¹, Wataru Iio¹, Ayumi Shirahase¹, Itoko Nonaka², Akifumi Ogino² (1. Ibaraki Prefectural Livestock Research Center, 2. Institute of Livestock and Grassland Science, National Agriculture and Food Research Organization)

【目的】アミノ酸バランス改善飼料（以下バランス飼料）は、飼料中の粗タンパク質（CP）含量を低減し、要求量に対して不足するアミノ酸を結晶性アミノ酸の添加によって補う飼料であり、生産性を維持しながら家畜飼養管理からの窒素排せつ量削減方法として知られている。これまでの我々の研究では成鶏期採卵鶏における、バランス飼料の給与は生産成績を損なわず窒素排せつ量を低下させることを報告した。採卵鶏は安定的な鶏卵生産を開始するまでに150日程度の育成期間があるが、育成期におけるバランス飼料給与効果は明らかではない。そこで、本試験では、大雛期採卵鶏にバランス飼料を給与し、生育および窒素排せつ量等を検証した。 【方法】大雛期（8～18週齢）採卵鶏に慣行飼料（CP15.5％）および慣行飼料よりCP含量を2～4ポイント低下させたバランス飼料（CP13.5％、CP11.5％）を給与して飼養試験を行い、体重、飼料摂取量、排せつ物重量、窒素出納等を測定した。 【結果】大雛期採卵鶏において飼料摂取量、18週齢時体重および排せつ物重量にバランス飼料給与の影響は認められなかった。しかし、窒素出納試験の結果、両試験区においてCP含量に依存した窒素排せつ量の有意な低下が認められた。これらのことから育成期採卵鶏にバランス飼料を給与することにより、18週齢時体重に影響を与えず、窒素排せつ量を低下させることが示唆された。