The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP31] 7. Antimicrobial agents and resistance -b. Antimicrobial resistance

[ODP-216] The effect of zinc against biofilms by non-ESBL-producing Escherichia coli

Sanae Kurakado1, Shintaro Eshima1, Yasuhiko Matsumoto1, Takayuki Kudo2, Takashi Sugita1 (1Dept. Microbiol., Meiji Pharm. Univ., 2Toshiba Rinkan HP.)


【目的】近年,血液培養からのEscherichia coliの検出率が増加し,2013年以降はStaphylococcus aureusを超えて検出率1位となっている.血流感染症患者の多くはカテーテルを留置しており,難治化の原因としてカテーテル表面へのバイオフィルム形成が挙げられる.中心静脈栄養施行時は,亜鉛・鉄等の欠乏症を起こしやすいため,通常,微量元素製剤を混合投与する.本研究では,微量元素製剤に含まれる金属元素がE. coliのバイオフィルム形成へ与える影響について検討を行った.
【方法】1. 血液由来E. coliを用いてバイオフィルム形成条件を検討した.2. バイオフィルム形成24時間後に,亜鉛・鉄・銅を添加し,増殖への影響を生菌数にて評価した.3. バイオフィルム形成24時間後にメロペネムと各金属を併用添加し,生菌数を測定し薬剤感受性への影響を評価した.
【結果および考察】E. coliのバイオフィルム形成条件を確立した.亜鉛,鉄は1 mMまで,銅は0.1 mMまでは増殖に影響を与えなかった.メロペネムとの併用実験では,亜鉛は濃度依存的にE. coliのバイオフィルムを耐性化させた.鉄,銅においても,メロペネム耐性を誘導する作用は見られたが,亜鉛と比較してその効果は弱かった.現在,亜鉛によるメロペネム耐性化機序について検討している.