診断・補修・補強 (2)

[I-145] 炭素繊維シートの真空含浸による非荷重伝達型十字溶接継手の補強について

*小沢 拓弥¹、タイ ウィサル¹、中村 一史¹、松井 孝洋² (1. 首都大学東京大学院、2. 東レ)

キーワード：十字溶接継手、応力集中、真空含浸工法、炭素繊維シート、接着接合

近年，既設鋼構造物の性能を回復または向上させるための技術の一つとして，炭素繊維シートを用いた補修・補強工法が注目されている．しかし，FRP接着による溶接継手部の疲労強度の向上を目的とした研究開発は検討例が少ない．本研究では，荷重非伝達型十字溶接継手を対象に，真空含浸工法によりCFシートを10層接着して，溶接止端部の応力集中を把握する．そして，画像情報から試験体の溶接形状を再現したFEMモデルにて実験の妥当性を検討した．実験とFEMの応力集中係数の値を比較した結果，両者はほぼ一致した．そして，理論値の応力低減係数を算出すると，実験とFEMの値がほぼ一致することから，補強効果が理論通りであった．