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[S04B-01] 水難事故発生個所における特徴的な要素の周期性について
キーワード:水難事故、数値解析、現地観測、周波数解析
本研究では,代表的な水難事故多発箇所における特徴的な流れの構造について,周期性の面から検討を行った.長良川の美濃橋周辺を対象とした平面2次元数解析からは,狭窄部を境として上流側に早瀬,下流側の淵には狭窄部から続く蛇行した縮流が見られ,さらにその縮流の周辺に循環流の構造が存在していた.3次元数値解析の結果からは,早瀬から続く下降流の存在が示唆され,これらが複合的に事故発生に影響している可能性が示された.また.矢作川の池島公園付近を対象とした平面2次元数値解析の結果では,下流側の循環流から主流に向けて還流する離岸方向の流れが明確に示された.これらの特徴的な流れについてスペクトル解析により周期性を検討したところ,縮流の蛇行と循環流の周期が早瀬における変動の周期よりも長く,かつ池島公園の例では離岸流の強弱の構造が最も長い周期を有していた.