第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

リハビリテーション

[O129] 一般演題・口演129
リハビリテーション13

2019年3月2日(土) 10:35 〜 11:35 第22会場 (グランドプリンスホテル京都1F ロイヤルルーム)

座長:竹田 健太(兵庫医科大学集中治療医学科)

[O129-6] 当院における抜管後非侵襲的陽圧換気装着症例に対する呼吸理学療法内容に関する検討

平澤 純1, 小川 智也1, 渡邉 文子1, 古川 拓朗1, 三嶋 卓也1, 新貝 和也1, 長江 優介1, 小山 昌利2, 横山 俊樹3 (1.公立陶生病院 中央リハビリテーション部, 2.公立陶生病院 臨床工学部, 3.公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科兼救急部集中治療室)

【背景】気道分泌物クリアランス低下や慢性呼吸不全患者などは再挿管高リスクとされ,抜管後の予防的非侵襲的陽圧換気(NIV)や呼吸リハビリテーションが具体的対応として推奨されている.しかし,再挿管高リスク症例に対する呼吸リハビリテーションの具体的内容は明確に示されていない. 【目的】当院における抜管後NIVを装着した症例に対する抜管当日の呼吸理学療法介入の現状を調査すること.【方法】対象は2017年11月から2018年5月までに気管挿管人工呼吸管理され,抜管後NIVを装着した患者のうち,手術当日抜管を除外した30名(ARDS 5例,心臓外科術後5例,間質性肺炎増悪3例,心肺蘇生後3例等).診療録より後方視的に気管挿管人工呼吸器およびNIV使用期間,理学療法内容を調査した.理学療法内容は抜管前の咳嗽能力や換気予備力等の評価を目的とした呼吸機能評価(努力肺活量: FVC,咳嗽時の最大呼気流速: PCF,最大吸気圧: PImax)実施の有無,抜管当日の離床の程度,排痰手技の内容を調査した.【結果】期間中に再挿管を要した症例はいなかった.気管挿管人工呼吸器期間は平均4.6±3.5日,NIV使用期間は平均1.5±1.1日であった.呼吸機能評価は17名(57%)に行われ,FVCは1.3±1.1L,PCFは107.6±52.1L/min,PImaxは37.8±16.5cmH2Oであった.自発呼吸トライアルのみならず呼吸機能評価も加味して抜管が検討されていた.離床は23名(77%)に行われNIV装着下での受動座位2名,背面開放座位5名,立位足踏み7名,車いす4名,通常酸素投与に変更して歩行5名であった.水分過多や低心機能の症例では端座位までに留める症例が多く,慢性呼吸不全や去痰不全のリスクの高い症例では歩行などの積極的な離床が行われていた.排痰手技が必要な症例は5例(17%)であり,active cycle breathing techniqueや咳嗽方法の指導,体位ドレナージ,機械による咳介助や高頻度胸壁振動等の多面的介入がされていた.【結論】当院における抜管後NIV装着症例に対する呼吸理学療法は,抜管前の咳嗽能力や換気予備力の評価,抜管後の症例個々に応じた離床や排痰が行われていた.再挿管高リスク症例に対する呼吸理学療法は,チームアプローチの一つとして重要であり,症例毎の評価に基づく介入が必要である.