[O15-4] Mas関連G蛋白質共役型受容体X2に対する新規拮抗薬によるanaphylax予防法の開発
[背景]周術期anaphylaxisに関する過去の報告では、約半数の症例で特異的IgE抗体が検出されず、IgE抗体を介さないanaphylaxisの原因究明が急務であった。近年、肥満細胞に発現したMas関連G蛋白質共役型受容体X2(MRGPRX2)が、抗生物質や筋弛緩薬の一部により直接刺激されHistamineを遊離すると報告された。我々は、この遊離経路が周術期anaphylaxisに関与し、この経路を阻害することでanaphylaxisを予防できないかと考えた。
[目的]MRGPRX2に対する新規拮抗薬となりうる核酸医薬品(Aptamer)を開発する。
[方法]小麦無細胞蛋白質合成系を用いて、MRGPRX2をリポソーム膜(人工脂質二重膜)に合成する。合成産物と、80塩基で構成されるAptamerを約1010種類含む初期ライブラリーとを結合させ、MRGPRX2にのみ結合するAptamer を選別した後に、ポリメラーゼ連鎖反応で増幅する。このサイクルを20回繰り返し、MRGPRX2により親和性が高いAptamerを選別する。(Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment: SELEX法) 。選別されたAptamerを用いて、MRGPRX2発現ラット好塩基球様(RBL-2H3)細胞からのHistamine遊離抑制作用を検証する。
[結果]SELEX法で55種類のAptamerを選別し、さらにMRGPRX2発現RBL-2H3を用いた予備的な結合実験で、最も特異性の高いNo. 35 Aptamer(図1)を選出した。No. 35 Aptamerは、Histamine遊離を32.6±2.09%(平均±標準誤差)まで抑制した。
[結論]リポソーム膜上に合成したMRGPRX2を鋳型とするSELEX法で選別したAptamerはMRGPRX2を介するHistamine遊離を抑制した。
[目的]MRGPRX2に対する新規拮抗薬となりうる核酸医薬品(Aptamer)を開発する。
[方法]小麦無細胞蛋白質合成系を用いて、MRGPRX2をリポソーム膜(人工脂質二重膜)に合成する。合成産物と、80塩基で構成されるAptamerを約1010種類含む初期ライブラリーとを結合させ、MRGPRX2にのみ結合するAptamer を選別した後に、ポリメラーゼ連鎖反応で増幅する。このサイクルを20回繰り返し、MRGPRX2により親和性が高いAptamerを選別する。(Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment: SELEX法) 。選別されたAptamerを用いて、MRGPRX2発現ラット好塩基球様(RBL-2H3)細胞からのHistamine遊離抑制作用を検証する。
[結果]SELEX法で55種類のAptamerを選別し、さらにMRGPRX2発現RBL-2H3を用いた予備的な結合実験で、最も特異性の高いNo. 35 Aptamer(図1)を選出した。No. 35 Aptamerは、Histamine遊離を32.6±2.09%(平均±標準誤差)まで抑制した。
[結論]リポソーム膜上に合成したMRGPRX2を鋳型とするSELEX法で選別したAptamerはMRGPRX2を介するHistamine遊離を抑制した。