[O60-2] Down症候群児は心臓外科手術後に高CRP血症を来しやすい
【背景】Down症候群(DS)児では非Down症候群(NDS)児と比較して、手術や感染症により全身状態にそぐわない高度な高CRP血症を経験することが少なくないが、まとまった報告はなくその真偽は明らかではない。
【目的】DS児におけるCRPの変化につき検討する。
【方法】2017年4月から2018年9月の間で、当センターにて心臓血管外科手術後にPICUへ入室したのべ270例を対象とした。手術後4日までのCRPピーク値、ピーク値までの手術後日数をDS群とNDS群で比較した。NDS群は、染色体異常や遺伝子異常、またはそれらの可能性が指摘されている多発奇形症候群と、慢性炎症性疾患を除外した。CRPの変化に影響を与える因子として、年齢や体重、手術方法、手術時間、人工心肺使用の有無と使用時間、手術時の人工物使用の有無、周術期合併症について情報収集し検討した。二群間の比較には、χ2検定およびMann-WhitneyのU検定を用い、p<0.05を統計学的有意とした。
【結果】DS群32例、NDS群139例であった。手術後CRPのピーク値はDS群で中央値6.76 (IQR:3.82-13.45) mg/dl、NDS群で中央値3.92 (IQR:2.39-6.46) mg/dlであり有意差を認めた(p<0.05)。また、CRPがピーク値となる手術後日数も、DS群で中央値2 (IQR:2-3)日、NDS群で中央値2(IQR:1-2)日であり有意差を認めた(p<0.05)。
【結論】DS児ではNDS児と比較して、手術後CRPの値が優位に高値となることを示した。高CRP血症のみでSystematic Inflammatory Reaction Syndromeの基準を満たさない場合には、各種培養およびEmpiricな広域抗生剤開始は慎重であるべきある。
【目的】DS児におけるCRPの変化につき検討する。
【方法】2017年4月から2018年9月の間で、当センターにて心臓血管外科手術後にPICUへ入室したのべ270例を対象とした。手術後4日までのCRPピーク値、ピーク値までの手術後日数をDS群とNDS群で比較した。NDS群は、染色体異常や遺伝子異常、またはそれらの可能性が指摘されている多発奇形症候群と、慢性炎症性疾患を除外した。CRPの変化に影響を与える因子として、年齢や体重、手術方法、手術時間、人工心肺使用の有無と使用時間、手術時の人工物使用の有無、周術期合併症について情報収集し検討した。二群間の比較には、χ2検定およびMann-WhitneyのU検定を用い、p<0.05を統計学的有意とした。
【結果】DS群32例、NDS群139例であった。手術後CRPのピーク値はDS群で中央値6.76 (IQR:3.82-13.45) mg/dl、NDS群で中央値3.92 (IQR:2.39-6.46) mg/dlであり有意差を認めた(p<0.05)。また、CRPがピーク値となる手術後日数も、DS群で中央値2 (IQR:2-3)日、NDS群で中央値2(IQR:1-2)日であり有意差を認めた(p<0.05)。
【結論】DS児ではNDS児と比較して、手術後CRPの値が優位に高値となることを示した。高CRP血症のみでSystematic Inflammatory Reaction Syndromeの基準を満たさない場合には、各種培養およびEmpiricな広域抗生剤開始は慎重であるべきある。