第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P11] 一般演題・ポスター11
患者管理01

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場11 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:西 憲一郎(大阪赤十字病院 麻酔科・集中治療部)

[P11-3] 外科系集中治療室退室後に再び集中治療を要した患者の検討

礒見 彩花, 加藤 貴大, 讃岐 美智義, 濱田 宏, 河本 昌志 (広島大学病院 麻酔科)

【背景】集中治療室(ICU)に再入室した患者では治療期間の延長や死亡率の上昇、医療費の増加等が生ずるとされる。当院の外科系ICU(SICU)は全ての入室患者が手術後であり、開設から5年が経過した時点で年間平均約600名が入室している。演者らは、SICU退室後に再び集中治療を要した患者を検討した。【目的】過去5年間にSICUを退室後、再び集中治療を要した患者を後方視的に検討し、その原因を調査する。【方法】2013年9月から2018年8月までの5年間でSICU退室後7日以内にICUまたはSICUに入室した患者を対象とした。18歳未満は除外した。主要評価アウトカムは再入室理由(気道障害・呼吸不全・循環不全・意識障害・再手術)とした。その他の検討項目は、年齢、性別、手術時ASAクラス分類(ASAクラス)、待機もしくは緊急手術、初回SICU滞在日数、総在院日数、転帰、SICU退室時のAPACHE2スコアとSOFAスコアとし、これらと再入室するまでの日数の関連性を調査した。統計学的検討は単変量線形回帰分析を使用し、p<0.05を有意とした。値は中央値[範囲]もしくは平均値±標準偏差で示した。【結果】該当期間にSICUに入室した患者数は3296名で、そのうち退室後7日以内にICUもしくはSICUに入室したのは57名(1.7%)であった。再入室理由としては呼吸不全が最も多く22名(39%)、次いで再手術が12名(21%)であった。原因が気道障害による場合は全て2日以内に入室していた。その他では、年齢(歳):67±15、性別:男性 41名(72%)、ASAクラス:3[1-4]、緊急手術:18名(32%)、初回SICU滞在日数(日):2[1-9]、総在院日数(日):47[8-416]、死亡数:12名(21%)、退室時APACHE2スコア:8[4-19]、退室時SOFAスコア:4[0-13]であった。このうち初回SICU滞在日数のみが再入室するまでの日数と相関しており、滞在日数が短いほど再入室が早かった(p=0.02、r2=0.09)。【結語】SICU退室後に再び集中治療を要した患者の検討を行った。再入室理由としては呼吸不全が最も多く、またSICUの滞在日数が短いほど再入室までの日数は短かった。そのうち気道障害によるものは10名(18%)であり、そのすべてが2日以内に再入室していた。