[P11-4] ICU患者の再入室に関する危険因子の検討
【緒言】集中治療室(ICU: intensive care unit)への再入室は、病院死亡率の独立したリスク因子であり、院内滞在日数や医療費が有意に増加することが報告されている。諸外国でのICU再入室に関する報告は多数存在するが、日本においては数少ない。そこで、今回、当院におけるICU患者の再入室に関する危険因子の検討を実施した。
【方法】2015年5月から2018年4月までの期間で当院ICUに入室した患者を対象とし、後ろ向き症例対照研究を行った。ICU再入室は「同一の入院期間において、ICU退室後120時間以内に再入室した場合」と定義した。初回ICU入室時に死亡退室、18歳未満、維持透析や特殊検査のための入室、APACHE IIスコア欠損例は除外した。年齢、性別、主診療科、初回入室経路、基礎疾患、APACHE II、入室時の主病名・手術内容、入院日数、ICUでの治療(機械的サポート・循環作動薬・鎮静薬の使用)などを収集した。統計はMann-Whitney U test、Fisher’s exact testを行い、P値0.05未満を有意差ありとした。
【結果】1861人が解析対象となり、再入室した46人(2.5%)をICU再入室群とし、非再入室群1815人と比較した。せん妄患者の割合はICU再入室群で有意に高かった(10.9 vs 4.0 %、 p=0.04)。ほかに院内死亡率(10.9 vs 2.1%、p=0.004)、APACHE II(中央値 16.5 vs 14 点 、p=0.004)、院内滞在日数(47.5 vs 21日、p<0.001)、慢性腎臓病(52.2 vs 36.1%、p=0.03)、カテコラミンの使用(41.3 vs 21.2%、p=0.003)、デクスメデトミジンの総投与量(中央値 330 vs 212 μg 、p=0.002)、24時間以上の人工呼吸器の使用(23.9 vs 10.1%、p=0.006)に有意差を認めた。
【結論】当院におけるICU再入室率は2.5%であった。過去の報告と比較して、新たにせん妄がICU再入室と関連する可能性が示唆された。
【方法】2015年5月から2018年4月までの期間で当院ICUに入室した患者を対象とし、後ろ向き症例対照研究を行った。ICU再入室は「同一の入院期間において、ICU退室後120時間以内に再入室した場合」と定義した。初回ICU入室時に死亡退室、18歳未満、維持透析や特殊検査のための入室、APACHE IIスコア欠損例は除外した。年齢、性別、主診療科、初回入室経路、基礎疾患、APACHE II、入室時の主病名・手術内容、入院日数、ICUでの治療(機械的サポート・循環作動薬・鎮静薬の使用)などを収集した。統計はMann-Whitney U test、Fisher’s exact testを行い、P値0.05未満を有意差ありとした。
【結果】1861人が解析対象となり、再入室した46人(2.5%)をICU再入室群とし、非再入室群1815人と比較した。せん妄患者の割合はICU再入室群で有意に高かった(10.9 vs 4.0 %、 p=0.04)。ほかに院内死亡率(10.9 vs 2.1%、p=0.004)、APACHE II(中央値 16.5 vs 14 点 、p=0.004)、院内滞在日数(47.5 vs 21日、p<0.001)、慢性腎臓病(52.2 vs 36.1%、p=0.03)、カテコラミンの使用(41.3 vs 21.2%、p=0.003)、デクスメデトミジンの総投与量(中央値 330 vs 212 μg 、p=0.002)、24時間以上の人工呼吸器の使用(23.9 vs 10.1%、p=0.006)に有意差を認めた。
【結論】当院におけるICU再入室率は2.5%であった。過去の報告と比較して、新たにせん妄がICU再入室と関連する可能性が示唆された。