第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

チーム医療

[P43] 一般演題・ポスター43
チーム医療02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:40 AM ポスター会場2 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:神谷 健司(近畿大学医学部附属病院集中治療部)

[P43-4] 集中ケア認定看護師によるICU退出後患者のラウンド実施の現状と課題

照沼 祥子1, 鈴木 真理1, 長谷川 隆一2, 長津 貴子3 (1.筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター総合病院水戸協同病院, 2.獨協医科大学埼玉医療センター, 3.茨城キリスト教大学)

【背景】当院ICUでは、多職種カンファレンスによる人工呼吸器早期離脱の取り組みを実施している。その一方で離脱に難渋し、人工呼吸管理が長期化するケースも少なくない。このような症例ではICU入室期間の延長に伴い、全身状態が安定すればICUを退出し、一般病棟で管理を継続する場合がある。しかし一般病棟では人工呼吸管理に不慣れなスタッフも多く、離脱不能と判断されたり患者の予後が悪化したりすることもあった。そのため、継続したチーム医療と重症患者の看護ケアの質の向上を目的に認定看護師を中心とするICU退出後ラウンドを開始した。【目的】集中ケア認定看護師を中心とするICU退出後ラウンドが、一般病棟の人工呼吸離脱困難症例の経過に対する影響を調べること。【方法】人工呼吸管理継続患者を対象とし、ICU退出翌日からラウンドを開始。ラウンド方法は、集中ケア認定看護師が中心となり実施した。更にラウンド内容を基に多職種カンファレンスを実施した。カンファレンスメンバーは担当医チーム・病棟師長・プライマリーNS・CE・PT・ST・DT・PH・MSWとした。ラウンドの評価項目は、ICU退出後ラウンドの周知状況、各職種の参加状況および患者の治療経過とした。【結果】2018年4月から8月まで対象症例は3例。症例1)ARDS線維化期。症例2)気胸管理中の肺炎増悪。症例3)C5頚椎損傷術後の呼吸不全。対象患者のICU在室期間は、21~28日。いずれもICU在室期間に気管切開術が施行された。いずれの症例も一般病棟転棟後39~75日で呼吸状態の悪化なく人工呼吸器の離脱に至った。一方病棟看護師やPT・CEから介入患者の相談や情報提供が増え、介入患者以外の呼吸ケア関連の相談もみられるようになった。【考察】院内での集中治療認定看護師の役割とICU退出後ラウンド活動の一般病棟での認知はまだ十分とはいえず、更に周知をする必要がある。また、ラウンド方法や活動の評価が定まっておらず標準化やシステムの構築も必要である。【結語】認定看護師を中心としたICU退出後ラウンドは患者の予後改善に寄与していた。今後は、ICUスタッフなどを含めた参画型のラウンドの実施を検討したい。