第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(ポスター発表)

補助循環

[P52] 一般演題・ポスター52
補助循環02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場11 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:中嶋 辰徳(大分大学医学部附属病院 ME機器センター)

[P52-3] PCPSの遠隔監視システムおよび酸素ガス流量モニタの開発

本塚 旭1, 武田 敏樹1, 川邉 学1, 加納 隆1,2 (1.埼玉医科大学 保健医療学部 臨床工学科, 2.滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科)

【目的】PCPS使用中のトラブルは短時間でも患者の生命の危険につながるが、長期間使用されるPCPSに対し、常に臨床工学技士を配置することは容易でない。そこで、院内の離れた場所でも動作状況や警報内容を確認できれば、使用中の安全確保や技士の業務効率改善につながると考える。また、PCPSに使用される酸素流量計は装置と独立しており、酸素ガス吹送を忘れるトラブルも発生している。そこで本研究は、昨年本学術集会で発表した遠隔監視システムの問題点改善と、酸素ガス流量モニタの作成を目的とした。【方法】 遠隔監視を行う装置はキャピオックス遠心ポンプコントローラーSP-101(テルモ)とし、小型コンピュータと接続した。得られる装置情報は遠心ポンプ回転数と血液流量、警報情報で、これらの情報を作成したアプリケーションにより、小型コンピュータからクラウドサーバ上に送信するようにした。サーバに保存された装置情報をウェブブラウザから確認することで、遠隔監視を行えるようにした。 酸素ガス流量モニタには流量計Mass Flowmeter 4140(TSI)と小型コンピュータを使用した。酸素ガス流路の途中に流量計を設置し、作成したアプリケーションを使用して酸素ガス流量の監視を行うようにした。現在の酸素ガス流量を表示するとともに、設定値を逸脱すると警報音を発するようにした。さらには酸素ガス流量モニタの遠隔監視を行う仕組みも組み込んだ。【結果・考察】 小型コンピュータとPCPS、酸素流量計を接続することで、PCPSの遠隔監視と酸素ガス流量のモニタリングを行うことができるようになった。これらは同一のアプリケーションで制御しており、わずかな操作で遠隔監視と酸素ガス流量モニタの開始をすることができ、業務手順を大きく増やすことはなかった。無線LAN環境があれば、PCPSからの新たな配線は不要で、PCPS移動などの業務の妨げになることは少ないと考えられた。クラウドサーバを利用することで、複数の端末からウェブブラウザによる同時閲覧が可能になり、昨年までの課題を改善することができた。また、PCPSだけでなく酸素ガス流量モニタの遠隔監視が可能となった。今後、臨床使用による本システムの評価や問題点の洗い出しが必要であると考える。【結語】小型コンピュータと自作のアプリケーション、流量計を用いることで、これまでのPCPS遠隔監視システムを改善し、さらに酸素ガス流量モニタの作成することができた。