第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

鎮痛・鎮静・せん妄 研究

[P55] 一般演題・ポスター55
鎮痛・鎮静・せん妄 研究03

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場14 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:竹中 千恵(京都府立医科大学附属病院 集中治療部)

[P55-3] iv-NCAを使用した術後疼痛管理についての検討・第3報~疼痛管理における看護師の認識の変化~

山口 智子, 花田 みずほ, 成田 美佳, 片山 美樹, 赤牛 留美子 (弘前大学医学部附属病院)

 【背景】良好な鎮痛状態を保つことは、ICU患者にとって極めて重要である。看護師は鎮痛評価や薬剤の投与に深くかかわり、鎮痛状態を経時的に評価して、鎮痛薬を適切に投与する必要がある。当院では看護師が薬剤調整を行うintravenous nurse-controlled analgesia(iv-NCA)を導入している。これまでに疼痛管理の看護研究を行い、看護師はiv-NCAの副作用に不安があること、Numerical Rating Scale (NRS)は個人で評価基準が異なるため看護師は患者の表情や体動などを重視していることが明らかとなった。【目的】iv-NCAの使用基準の再確認とCritical-Care Pain observation Tool(CPOT)追加による看護師の疼痛管理における認識の変化と実態を明らかにする。【方法】A病院集中治療部看護師を対象に、iv-NCAロックアウトの短縮化・ロックアウト後の疼痛評価・ケア時の積極的使用などiv-NCAの使用基準の確認やCPOTについて勉強会を行った。CPOT追加前後での鎮痛剤の使用状況や疼痛スケールの変化など疼痛管理についてアンケート調査を行った。また、看護記録から疼痛スケール、iv-NCAの使用状況を抽出した。【結果】勉強会によるCPOTの理解度は100%であった。それにより疼痛の評価ができていると感じている人や評価の頻度が増えた人は多かったが、iv-NCAの使用に不安を感じる人に有意な差はみられず、iv-NCAの使用頻度に増加は見られなかった。看護師は「入室時」「勤務の最初」「勤務の最後」「ケア前後」「疼痛を訴えているとき」「血圧上昇時」などに疼痛の評価を行っているが、「入室時」の覚醒不十分な患者に対しNRSを表現できていないとの判断が46.8%であった。また、「鎮静が切れていない」「返答がない」「NRSの評価が難しいと言われる」ときにNRSやiv-NCAでの使用に有意に悩みを感じているが、CPOTでの評価は客観的指標であるため評価がしやすいと感じていた。【結語】CPOTの使用は術後早期の患者に対して使用しやすく看護師の疼痛評価に対する悩みの軽減につながった。しかし、客観的指標のみで患者の疼痛を正しく認識することは難しく、CPOT・NRSそれぞれの評価精度の向上が必要だと考えられた。