第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P58] 一般演題・ポスター58
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:齋藤 美和(さいたま赤十字病院看護部ICU・HCU・救命センター外来)

[P58-3] 診療看護師によるPOCUS(FOCUS)の有用性について ICU/ERでの特定医行為以外の可能性

斉藤 岳史, 藤谷 茂樹, 本館 教子, 和田 由紀 (聖マリアンナ医科大学病院)

【はじめに】当院では診療看護師を導入して2年目になり、6名がCritical領域で研修を行なっている。相対的医行為には超音波検査、グラム染色、気管挿管、CV挿入を実施している。その中で最も頻度が多い相対的医行為は超音波検査による評価であった。これまで、Critical領域で診療看護師が心臓超音波検査による輸液負荷反応性(volume responsive (VR))を評価した報告はない。今回、診療看護師がICUとERにおいて、輸液負荷前後の心エコーでIVC・TAPSE・DLVOT・LVOT VTiを計測し、VRについて評価したので報告する。【方法】2018年7月1日から9月15日までに、診療看護師として受け持った、ICUとERにおいて循環血液量減少兆候(BP<90、尿<0.5ml/kg、HR>100)をきたした患者を該当に心エコーにて測定を行った。その心エコーの測定評価をPOCUSの教育を受けた集中治療医が行った。傍胸骨長軸像、心尖部四腔像、心窩部下大静脈像で、評価項目としてIVC・TAPSE・DLVOT・LVOT Vtiを測定した。心エコーとバイタルサインにてVTiの上昇、血圧上昇、脈拍低下のうち2項目以上を満たす場合があった場、VR(+)と判断した。また、輸液負荷後に、血圧・脈拍、心エコー測定項目の前後での変動率を測定した。【結果】心臓超音波検査施行事例は10例であった。4名が除外され、6名が循環血液量減少兆候を認め、輸液負荷の該当となった。人工呼吸器装着患者は4名、自発呼吸患者は2名であった。循環血液量減少兆候は、尿<0.5ml/kgが3名、尿<0.5ml/kgとHR>100が1名、BP<90とHR>100が2名であった。6例中5例がIVCとVTiが10%以上の増加を認め、VR(+)と判断され、カテコラミン回避となった。全ての超音波評価項目は集中治療医が視認し妥当性ありと判断され治療継続となった。【考察】POCUSおよびFOCUSの教育と臨床実践の積み重ねにより、輸液反応性を評価するための心臓超音波検査が正確に実践できたと考える。【結語】POCUSおよびFOCUSの教育を受けることにより診療看護師も超音波による評価が可能であることが示唆された。また、診療看護師は、BPやHR、心エコーの所見だけでなく、身体所見や病歴も加え総合的に判断することが求められる。