第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P58] 一般演題・ポスター58
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:齋藤 美和(さいたま赤十字病院看護部ICU・HCU・救命センター外来)

[P58-5] 当院集中治療部における原価計算の労務費算出の試み

志賀 卓弥1, 井汲 沙織1, 小林 直也2, 佐藤 友菜1, 亀山 良亘1, 齋藤 浩二1, 山内 正憲2 (1.東北大学病院 集中治療部, 2.東北大学病院麻酔科)

【背景】DPC/PDPS(診断群分類別包括評価)が導入され、診療報酬額は包括評価部分と出来高評価部分の合計で算出されている。また、2018年度診療報酬改定に伴い、生理学的スコアが導入された。2013年に日本集中治療医学会社会保険対策委員会によるICU収支の報告があるが、患者1人当たりの原価計算と生理学的スコアの関連を比較した報告はなく、ICU収支と生理学的スコアとの関連は依然不明である。
【目的】当院集中治療部における原価計算を行い、ICU収支と生理学的スコアを比較するため、患者1人当たりの原価計算を目標とする。原価計算における材料費、労務費、経費のうち、労務費について算出を行うことを目的とした。
【方法】労務費を2017年1月の給与費データに限定し、厚生労働省の患者別・診断群分類別医療原価計算標準マニュアル(Ver.1.02)に則して算出した。集中治療部専属職員として医師給、看護師給、臨床工学技士給、薬剤師給を算出した。専属の職員は、「職目毎の平均給与×人数」で直課した。非専属職員は、その他医療技術員給(臨床検査技師、栄養士、理学療法士、作業療法士、放射線技師、歯科技工士、歯科衛生士)、事務員給、技能労務員給を算出した。非専属職員は「職目毎の総給与×集中治療部の入院患者数/病院全体の入院患者数」で配賦した。直課と配賦の合計を労務費として算出した。【結果】2017年1月の当院入院患者数は29,585名、集中治療部に入院した患者数は187名(0.63%)であった。当院のひと月あたりの労務費は1,123,141,875円であった。そのうち集中治療部門における労務費は46,119,042円(4.11%)であった。
【結論】当院集中治療部の原価計算の一環として、労務費の算出を行った。病院全体の労務費のうち4.11%を集中治療部が占めており労働集約的な部門であることが再認識された。今後、原価計算、ICU収支、生理学的スコアとの関係について更なる研究を進めていく。