第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P81] 一般演題・ポスター81
検査法・モニタリング02

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:加藤 啓一(日本赤十字社医療センター麻酔科)

[P81-4] 急性期における開心術後の体液バランス変動を生体電気インピーダンス法により評価可能か?3症例での検討

平山 敬浩1, 松山 広樹2, 徳平 夏子2, 芦田 ひろみ2, 飯田 淳2, 阪口 雅洋2 (1.京都山城総合医療センター 麻酔科, 2.京都第一赤十字病院 麻酔科)

【緒言】術中術後の体液バランスの評価は現在様々な方法にて評価を試みようとなされているが、今なおこれだけで評価できるというものは存在しない。周術期においては侵襲が大きい手術や長時間の手術ほど血管内血管外の水分の移動が大きく、体液バランス評価を困難なものにする。今回我々は生体電気インピーダンス法を用いることにより、細胞内細胞外の水分量を推定し、腕、体幹、脚(腕、脚は左右の平均)のECW/TBW(細胞外液量(Extracellular Water)/体内総水分量(Total Body Water))の比の推移をみることで、開心術後の患者においてICU入室中にどうパラメーターが推移しているのか検討を行った。【方法】2018年5月に当院ICU入室となった開心術後の患者3名を対象とした。(症例1)81歳女性 大動脈弁狭窄症、狭心症に対してAVR、CABG(LITA→LAD)施行。(症例2)74歳男性 胸部大動脈瘤に対して上行大動脈人工血管置換術施行。(症例3)66歳女性 大動脈弁狭窄症、狭心症に対してAVR、CABG(LITA→OM)施行。【結果】いずれの患者においても腕のECW/TBWが体幹、脚に比べ大きな変化を伴った。また(症例1) (症例2)は術後3日目に尿量がピークを迎え、それぞれ4705ml/日、3350ml/日となりその後は低下していた。腕のECW/TBWは術後2日目にピークを迎え、それぞれ0.404、0.413という結果となり、その後低下傾向を認めた。(症例3)はICUにて術後脳梗塞となり、当初積極的に利尿を促さなかったため術後6日目に尿量6304mlでピークとなり、徐々に低下傾向となった。腕のECW/TBWは術後5日目に0.422でピークを迎え。尿量と同様その後低下傾向となった。【まとめ】ECW/TBWは透析患者においてドライウェイトの推定に有効との報告がなされている。今回我々は急性期の体液の変化を連日評価し、特に腕のECW/TBWの推移を追うことで急性期の急激な体液バランスの変化を生体インピーダンス法により利尿期に達する以前に体内での体液の移動を捉えることができる可能性が示唆された。