第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P82] 一般演題・ポスター82
検査法・モニタリング03

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場20 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山本 良平(亀田総合病院)

[P82-5] 局所組織酸素飽和度モニタNIRO-200NXとO3TMの比較検討

鈴木 完1, 上原 克也1, 根城 裕也1, 山岸 麟太郎1, 渡辺 誉幸1, 高橋 翔1, 田中 秀明1, 高森 修平1, 大石 竜1,2 (1.昭和大学病院 臨床工学室, 2.昭和大学統括臨床工学室)

【はじめに】近赤外線分光法は局所組織酸素飽和度(rSO2)を測定するモニタで広く活用されているが、解析アルゴリズムは機器ごとに異なり測定値に影響を与えている。【目的】完全虚血状態を模擬し浜松ホトニクス社NIRO-200NX(NIRO)とMASIMO社O3TM(O3)についてrSO2の変化を比較検討した。【対象・方法】7名の健常人ボランティアを対象に、左上腕にカフを巻き上腕動脈触知部より5cm末梢にセンサーを貼付け、センサーを心臓の高さに合わせた。センサー貼付後、安静座位状態にて3分後のrSO2をBase Lineとし、Base Line測定後240mmHgまで加圧し90秒間駆血し完全虚血状態を模擬した。測定項目は、rSO2低下開始時間、90秒後rSO2、Base Lineからの変化率、駆血解除後rSO2回復時間、駆血解除後最大rSO2、Base Lineまでの復帰時間とした。測定値はmean±SDで表し、統計学的処理は、Bland-Altman Plotを用い95%一致限界(LOA)とし p>0.05を有意とした。【結果】NIROとO3の順で結果を示す。Base Lineは、71.43±4.44%、70.79±4.60%、bias mean(BM)-1.29%、LOA±3.29、R0.62、p<0.05、rSO2変化開始時間は、23.29±7.42秒、27.29±12.27秒、BM4.00秒、LOA±11.19秒、R0.31、p<0.05、90秒後rSO2は、63.14±7.66%、60.57±9.04%、変化率は、8.29±3.73%、9.57±4.24%、BM1.29%、LOA±3.14%、R0.69、p<0.05、駆血解除後rSO2回復時間は、4.57±2.82秒、13.43±3.96秒、BM8.86秒、LOA±5.81秒、R-0.47、p>0.05、最大rSO2は82.00±2.62%、78.43±5.75%、BM-3.57%、LOA±4.71%、R0.59、p<0.05、復帰時間は、124.57±18.76秒、121.57±32.48秒、BM-3.00秒、LOA±38.82秒、R-0.84、p<0.05であり、全ての測定で相関を認めた。また、駆血解除後rSO2回復時間で有意差を認めNIROの方が優位に早かった。【考察】rSO2低下開始時間、駆血解除後rSO2復時間はO3がNIROよりも反応時間が遅かった。これは、サンプルリングタイムや表示値の更新時間などの違いによるものであると推察される。Base Lineからの変化率ではNIROよりもO3の方が大きかった。これはNIROではSRS法をO3ではMBL法を用いてrSO2を測定しているためであると推察される。【まとめ】rSO2の解析アルゴリズムは機器ごとに異なるため、特性を十分に理解したうえで使用することが望まれる。