第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

感染・敗血症 症例

[P9] 一般演題・ポスター9
感染・敗血症 症例03

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場9 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:遠藤 裕(新潟大学医歯学総合病院高度救命救急センター・集中治療部)

[P9-6] 硫酸マグネシウムとミダゾラムの併用により早期離床を達成できた破傷風の一例

佐藤 裕一, 竹内 龍之介, 中城 晴城, 三宅 悠香, 塩岡 天平, 芝 陽介, 田中 光一, 橘 直人, 馬越 健介, 濱見 原 (愛媛県立中央病院 救急科)

【背景】破傷風はClostridium.tetaniの産生する毒素によって引き起こされる全身性の筋収縮を特徴とする疾患であり、痙攣を誘発する刺激を避けるために症状が消退するまで長期の安静を強いられることが多い。【臨床経過】症例は60代男性で嚥下障害で発症した。第3病日に開口障害を自覚、第5病日に歩行障害、排尿障害が出現し当院へ入院した。来院時、開口は1横指で四肢の筋緊張と腰背部痛を訴えた。明かな外傷の受傷歴は聴取出来なかった。入院後はメトロニダゾールおよび硫酸マグネシウムの持続投与による治療を開始した。第9病日より車椅子移乗を開始したが、同日夜間より大腿、腰部の筋緊張の増悪を認め、その後も増悪傾向であったため第11病日よりミダゾラムの追加した。ミダゾラム開始直後より体幹部および下肢の筋緊張の改善を認めたことから、症状の増悪に注意しつつ立位訓練や下肢筋力強化のためのリハビリテーションは継続した。その後は筋緊張の症状を観察しつつミダゾラムを減量・中止した。第14病日より経口摂取を開始、第19病日に硫酸マグネシウムの投与を終了して第25病日に歩行可能な状態で転院した。【結論】本症例では硫酸マグネシウムとミダゾラムで症状をコントロールしつつ破傷風第3期からリハビリテーションを施行することができ、症状改善後は速かな離床を図ることができた。破傷風では人工呼吸の装着や長期間の安静により廃用が問題となることが多いが、症例によっては早期からの積極的なリハビリテーションが早期離床に有用と考えられた。