第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全

医療安全1

[29] 空港診療所での放射線医療機器点検等管理の構築

木野村 豊 (藤田医科大学中部国際空港診療所)

【目的】
現在勤務している,藤田医科大学中部国際空港診療所は2005年2月17日の空港開港前の2月1日にオープンした.開院当初からスタッフは医師・看護師・事務の3職種であり,X線撮影は医師がおこなっていた.2017年5月に診療所を拡張し,単純撮影だけであったX線診療室内にX線透視装置,別室に16列マルチスライスCTが設置された.2019年5月1日に診療放射線技師が診療所に赴任した.開院以来,日常の定期的な放射線機器の管理がおこなわれていなかったので,放射線医療機器点検等管理の構築をおこなった.
【管理内容】
最初にすべきこととして考えたのは装置の始業終業点検である.診療放射線技師が1名であることを鑑み,できる限り簡易で継続可能なものとした.点検項目を決めるうえで,X線装置は大きく環境整備,装置外観・動作に分け,始業点検は19項目,終業点検は6項目とした.CT装置は環境整備,装置外観・動作,システムに大きく分け,始業点検は15項目,終業点検は6項目とした. 撮影室と操作室の温度・湿度管理も実施するようにした.装置立上前とシャットダウン前の2回を毎日測定し,数値の記載とグラフ化をおこなった.
【結果】
診療放射線技師が赴任するまでは,年1回のスポット点検だけであったが,簡易でありながら,重要ポイントを入れ込んだ始業点検・終業点検はその日の機器異常発見に繋ぐことができる.温度・湿度管理においては,看護師の協力を得て毎日実施している.毎日の数値チェックだけでなく,グラフ化も加えた評価は温度・湿度変化を目視的に見ることができた.
【まとめ】
放射線機器の始業点検・終業点検などは当然の業務として各施設でおこなわれているが,診療放射線技師1名では点検が満足に実施できていない施設もあると思われる.しかし,機器の異常発見を見つける上では,やはり重要なことである.これからは年に2回程度の線量測定を実施していきたい.