第97回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

洗浄

洗浄2

Sat. Jun 4, 2022 3:50 PM - 4:40 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:河野 太郎(宮崎大学)

4:00 PM - 4:10 PM

[59] 鋼製小物の超音波洗浄における注意点

石黒 有希子1,8, 太田 知歩1,8, 松尾 明子1,8, 阿部田 暁子2,8, 入江 悦子3,8, 柏井 伸子4,8, 小林 明子5,8, 鈴木 佐栄子6,8, 大町 智之7,8, 後藤 大地7,8, 伏見 了7,8 (1.医療法人社団成扶会馬見塚デンタルクリニック, 2.浅賀歯科医院, 3.入江歯科医院, 4.㈲ハグクリエイション, 5.小林歯科医院, 6.鶴見中央歯科クリニック, 7.ワタキューセイモア㈱, 8.グローバル医科歯科感染管理研究会)

【背景】
鋼製小物に付着した汚染物は次の患者に持
ち込まないために,可能な限り分解・除去す
る.特にヒンジのある鉗子や剪刃などは重なっ
た状態では汚染物が残留しやすくなる.形状が
フラットな器材でも,洗浄時に重なると洗浄不
良となるため,適切な洗浄方法を模索すべく検
証をおこなった.
【方法】
キッコーマンバイオケミファ社製ルミテス
ターおよびルシパックA3Surfaceを使用して
AMP(Adenosine monophosphate)・ADP
(Adenosine diphosphate)・ATP(Adenosine
triphosphate)を測定し,370,000RLU(Relative
Light Unit)前後になるように調製したトマ
トジュース・卵白・水による混合液を,YDM
社製歯科用ミラー(以下ミラー)7本および
BONIMED社製クーパー直(以下剪刃)4本に
100μL塗布して室温で半日自然乾燥させた.
ミラーは単独と2個を密着させた3組を2個
のビーカーに入れて洗浄槽の左側と右側に置
き,剪刃は開いた状態1本と閉じた状態3本を
超音波洗浄器の洗浄槽に入れ,希釈・調製した
蛋白質分解酵素入り中性洗剤モリタ製ウルトラ
クレンザイムを使用して,ビィソニックス社製
EXV-N3(3施設)・カボデンタルシステムズ
社製Q140Ag・ジーシー社製ハイパワーソニッ
クHS-I・共和医理科社製KS-140Nを用いて
15分間洗浄後にA3を測定した.
【結果】
6施設における洗浄後データの中央値は,ミ
ラーのシングルでは左側が35.5で右側が37.0,
重ねたものでは左側が37,762で右側が22,813で
あった.また剪刃では開いた状態では23で閉じ
た状態では612であった.考察ミラーはガラス
面どうしを密着させたが,通常はハンドルに接
続されていてスペースができ,今回の検証より
も洗浄効果は高くなる.
【結語】
超音波洗浄器やウォッシャーディスイン
フェクターを使用して器材洗浄をおこなう際に
は,洗浄対象物どうしが重なると洗剤が適切に
当たらない可能性があり,バスケットやスタン
ド等のアクセサリーを活用し,重なり部分のな
いように積載方法を検討すべきである.