4:10 PM - 4:20 PM
[60] WD 予備洗浄工程の水温が血液汚染物の除去性に与える影響について
【背景】
先行研究にて,WDすすぎ工程の水温は,洗
剤のすすぎ性能に影響しないことを明らかにし
た1).一方,汚染物のすすぎ効果つまり,洗剤
を使用しない水のみの工程において,水温が汚
染物の洗浄効果に与える影響についてはわかっ
ていない.
【目的】
予備洗浄工程の水温と洗浄性の関係につい
て調査をおこなった.また,同様に予備洗浄工
程をおこなった後,中性酵素洗剤を使用して本
洗浄をおこない,予備洗浄の温度が最終的な洗
浄効果に及ぼす影響について調査した.
【方法】
テストデバイスは,ISO 15883-5に準拠した
方法で作製した.WDのプログラムを予備洗浄
工程のみにし,設定時間を3分に固定し,給水
温度を常温,40℃,50℃に変えてテストデバイ
スを洗浄した.また,予備洗浄工程3分の後,
中性酵素洗剤を用いて50℃にて5分間本洗浄
をおこなった後,すすぎを2回おこなった.そ
の後,テストデバイスを取り出して室温乾燥さ
せ,残留蛋白質を抽出し,OPA法で測定をお
こなった.
【結果】
予備洗浄工程のみにおいて,常温の水を使
用した場合のテストデバイスの残留蛋白質量は
730±220μg,40℃は364±144μg,50℃は446
±210μgであった.次に,本洗浄をおこなっ
た場合,常温の水を使用したテストデバイスの
残留蛋白質量は22±4.7μg,40℃は26±8.0μg,
50℃は50±54.0μgであり,50℃において残留
蛋白質量が最も多かった.また,50℃では,残
留蛋白質量の標準偏差が他2条件と比較して大
きいことから,洗浄性にバラツキが大きく,均
一かつ確実な洗浄を得るためには予備洗浄工程
の水温は40℃以下が良いと考えられた.
1) 三軒隼人ら,ウォッシャーディスインフェ
クターのすすぎ排水中に含まれる洗浄剤残
留量の測定によるすすぎ性能評価.医療機
器学,2021 ; Vol.91, No.4 : p.315-322.
先行研究にて,WDすすぎ工程の水温は,洗
剤のすすぎ性能に影響しないことを明らかにし
た1).一方,汚染物のすすぎ効果つまり,洗剤
を使用しない水のみの工程において,水温が汚
染物の洗浄効果に与える影響についてはわかっ
ていない.
【目的】
予備洗浄工程の水温と洗浄性の関係につい
て調査をおこなった.また,同様に予備洗浄工
程をおこなった後,中性酵素洗剤を使用して本
洗浄をおこない,予備洗浄の温度が最終的な洗
浄効果に及ぼす影響について調査した.
【方法】
テストデバイスは,ISO 15883-5に準拠した
方法で作製した.WDのプログラムを予備洗浄
工程のみにし,設定時間を3分に固定し,給水
温度を常温,40℃,50℃に変えてテストデバイ
スを洗浄した.また,予備洗浄工程3分の後,
中性酵素洗剤を用いて50℃にて5分間本洗浄
をおこなった後,すすぎを2回おこなった.そ
の後,テストデバイスを取り出して室温乾燥さ
せ,残留蛋白質を抽出し,OPA法で測定をお
こなった.
【結果】
予備洗浄工程のみにおいて,常温の水を使
用した場合のテストデバイスの残留蛋白質量は
730±220μg,40℃は364±144μg,50℃は446
±210μgであった.次に,本洗浄をおこなっ
た場合,常温の水を使用したテストデバイスの
残留蛋白質量は22±4.7μg,40℃は26±8.0μg,
50℃は50±54.0μgであり,50℃において残留
蛋白質量が最も多かった.また,50℃では,残
留蛋白質量の標準偏差が他2条件と比較して大
きいことから,洗浄性にバラツキが大きく,均
一かつ確実な洗浄を得るためには予備洗浄工程
の水温は40℃以下が良いと考えられた.
1) 三軒隼人ら,ウォッシャーディスインフェ
クターのすすぎ排水中に含まれる洗浄剤残
留量の測定によるすすぎ性能評価.医療機
器学,2021 ; Vol.91, No.4 : p.315-322.