第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理2

2022年6月4日(土) 09:00 〜 10:10 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:野川 悟史(昭和大学藤が丘病院)

09:50 〜 10:00

[68] K 病院の滅菌管理部門での医療機器の添付文書の活用の現状と課題

森本 和子 (高知大学医学部附属病院 滅菌管理部門)

本院の滅菌管理部門は診療支援施設に位置
づけられ,医療機器のリプロセッシング(再処
理)における安全確保の推進と既滅菌物品のサ
プライサービスを業務とする.リプロセッシン
グでの安全確保は,第1に届出番号を持つ医療
機器か,第2に再生(リユース)可能な医療機
器であるかの確認から始まる.平成16年2月の
「単回使用医療機器について」に対し,添付文
書に記載の「単回使用機器」の再使用の調査が,
添付文書との最初の関わりとなった.平成26年
10月2日「医療機器の添付文書の記載要領(細
則)について」には添付文書に項目整理と大き
く内容追加がおこなわれ再生処理の処理環境設
定や処理評価,検品情報,医療経済の観点など
からも重要な手引書となってきた.しかし受け
手側にもいまだ必要視されていない現状や不十
分な記載や解読困難な部分も多く見受けられ
る.手引書を難しくさせているものは何なのか. 
院内における器材の添付文書の保管調査をおこ
ない,添付文書管理への意識結果を報告すると
ともに,本部門での添付文書の理解しにくい記
載などに対し,販売元への問い合わせ例等をま
とめてみた.結果,購入に際し,販売会社の職
員は全く添付文書を見せることなく説明をおこ
なっていることが多く,リプロセッシングに必
要な洗浄方法や滅菌方法については,旧薬事法
からの記載を踏襲している,共通用語を使用し
ていないために,販売会社独自の言葉で表現さ
れているなど理解しにくい記載があった.また
外国の文書を直訳したと思われる文面では日本
には未販売の洗浄剤が記載されるなど,現場不
在の状況が見える.2次元コードの使用など新
たな局面に対し,現場からの声として報告する.