10:40 〜 10:50
[71] 病院内RMD のトレーサビリティ確保に向けた取り組み
我々は,2014年から総合滅菌管理システム
(ARIES)を運用している.ARIESは,鋼製機
器UDI管理,手術器械使用履歴管理,洗浄滅菌
BI履歴管理,ピッキング工程管理から構成さ
れ,これらの間で特殊通信網を形成し管理をお
こなっている.全ての鋼製機器にGS1データマ
トリックスを刻印してUDI管理をおこない,院
内ネットワークを経由して取得した手術関連情
報と作業ナビゲーションが表示される携帯情報
端末を,種々の作業プロセスで使用している.
ARIES導入前後で,手術件数は約20%増加した
が,作業時間は約30%減少し作業人員の削減を
図ることができ,滅菌コンテナ,器械セットの
組み立てにおいては,セット組み立てミスの件
数が1/20にまで減少したことを,本学会で既に
報告している.ARIESは,RMDの使用頻度が
最も多い手術室で運用をおこない,順調に稼働
しているが,滅菌管理部が管理しているRMD
は手術部以外にも様々な部署に供給されてい
る.病棟,外来では,在庫一元管理を目的と
してGS1コードが刻印されているにもかかわら
ず,トレーサビリティが確保できていなかった.
今回,病棟,外来で使用する「切開縫合セット」
や「抜歯セット」など,特に観血的処置に使用
するセット品(以下セット品)に対し,トレー
サビリティを拡大したので報告する.滅菌管理
部が管理するセット品は1日約20セットであ
るが,セット組みは2人の作業者が目視確認で
おこなっていた.ARIESにのせることで,作
業を1人でおこなうことができるようになり,
作業効率の改善と組み立て間違いの頻度が減少
した.病棟,外来にはRMDと患者を紐付けす
るシステムは構築されていないため,これらの
直接的な紐付けはできないが,払出し部署と日
時を滅菌管理部で管理することで,おおよその
使用患者の特定が可能となった.今回の取り組
みは,病棟と外来におけるRMD管理の質向上
に役立つと考えた.
(ARIES)を運用している.ARIESは,鋼製機
器UDI管理,手術器械使用履歴管理,洗浄滅菌
BI履歴管理,ピッキング工程管理から構成さ
れ,これらの間で特殊通信網を形成し管理をお
こなっている.全ての鋼製機器にGS1データマ
トリックスを刻印してUDI管理をおこない,院
内ネットワークを経由して取得した手術関連情
報と作業ナビゲーションが表示される携帯情報
端末を,種々の作業プロセスで使用している.
ARIES導入前後で,手術件数は約20%増加した
が,作業時間は約30%減少し作業人員の削減を
図ることができ,滅菌コンテナ,器械セットの
組み立てにおいては,セット組み立てミスの件
数が1/20にまで減少したことを,本学会で既に
報告している.ARIESは,RMDの使用頻度が
最も多い手術室で運用をおこない,順調に稼働
しているが,滅菌管理部が管理しているRMD
は手術部以外にも様々な部署に供給されてい
る.病棟,外来では,在庫一元管理を目的と
してGS1コードが刻印されているにもかかわら
ず,トレーサビリティが確保できていなかった.
今回,病棟,外来で使用する「切開縫合セット」
や「抜歯セット」など,特に観血的処置に使用
するセット品(以下セット品)に対し,トレー
サビリティを拡大したので報告する.滅菌管理
部が管理するセット品は1日約20セットであ
るが,セット組みは2人の作業者が目視確認で
おこなっていた.ARIESにのせることで,作
業を1人でおこなうことができるようになり,
作業効率の改善と組み立て間違いの頻度が減少
した.病棟,外来にはRMDと患者を紐付けす
るシステムは構築されていないため,これらの
直接的な紐付けはできないが,払出し部署と日
時を滅菌管理部で管理することで,おおよその
使用患者の特定が可能となった.今回の取り組
みは,病棟と外来におけるRMD管理の質向上
に役立つと考えた.