第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

トレーサビリティ

トレーサビリティ

2023年7月1日(土) 14:00 〜 14:50 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:河村 秀樹(静岡県立こども病院)

14:30 〜 14:40

[105] 手術用鋼製器具の製造販売業者における2 次元シンボルDPM 動向に関する調査研究

酒井 順哉1, 植村 康一2, 黒澤 康雄3, 久保田 英雄4, 白石 裕雄5, 住谷 健二6, 中野渡 寛之7, 並木 秀文8, 美代 賢吾9, 村田 昭夫10 (1.名城大学大学院都市情報学研究科保健医療情報学, 2.一般財団法人流通システム開発センター, 3.東京医療保健大学医療保健学部, 4.東京医科歯科大学病院 材料部, 5.一般社団法人日本自動認識システム協会, 6.ミズホ㈱, 7.㈲東奥電気, 8.一般社団法人医器販協データベースセンター, 9.国立国際医療研究センター医療情報基盤センター, 10.㈱エムエス)

【目的】
(一社)日本医療機器学会・医療機器UDI標準化委員会は,(一社)日本医療機器工業会(JAMDI)と合同で策定した「鋼製器具2次元シンボルダイレクトマーキング技術指針」に2次元シンボル表示位置の標準仕様を追加できないか確認するため,病院に出荷している製造販売業者40社を対象に,2022年4月に手術用鋼製器具への2次元シンボルの表示の現状を調査した.
【方法】
鋼製器具の製造販売業者40社にブランド別に2次元シンボル表示の現状,鋼製器具の出荷・修理の履歴管理,2次元シンボルのマーキング方法,鋼製器具の種類別の表示位置などについて調査協力を求めたところ,回答企業数26社(65.0%)から回答があった.
対象とした手術用鋼製器具は多くのメジャー手術で使われる鋼製器具に限定し,内視鏡用鋼製器具は除外した.
【結果】
集計の結果,以下のことがわかった.
1)鋼製器具の企業数/品目数は,海外ブランド19社/ 48,648品目,国内ブランド16社/ 11,738品目に及んだ.
2)2次元シンボルを「既に表示」または「今後予定」は海外7社,国内5社であり,
「表示未定」が海外11社,国内11社であった.
3)2次元シンボルの種類で「GS1 DataMatrix」は海外7社,国内5社であるが,「その他のシンボルおよび未表示」は海外8社,国内5社であった.
4)鋼製器具両面へのマーキング「あり」が海外・国内ともに1社に留まった.
5)マーキング位置が類似している鋼製器具は鉗子(丸のみ),鑷子,持針器(マッチュー型)であったが,マーキング位置が異なった鋼製器具は止血鉗子,外科用剪刀,持針器(ヘガール型),扁平鈎であった.
【考察・まとめ】
集計結果から,鋼製器具に2次元シンボルの表示意識は2022年9月FDAのUDI規制によるバーコード表示期限前のためか,製造販売業者によって相違があることがわかった.また,マーキング位置の統一は鋼製器具の種類によってことなるため,困難であることがわかった.