第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌業務管理

滅菌業務管理2

2023年6月30日(金) 17:00 〜 18:00 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:濱中 郁恵(大阪大学)

17:10 〜 17:20

[25] 中央滅菌材料部における臨床工学技士の役割

古田 朋之, 福田 航, 西本 拓真, 藤堂 敦 (近畿大学病院 臨床工学部)

【はじめに】
滅菌管理システムやトレーサビリティシステムなどによる器材管理や洗浄装置・滅菌装置におけるプロセスの有効性維持のため,日常管理や定期的な機器の保守管理などでより質の高い管理が求められてきている.当院においては, 2015年から機器・器材管理を目的に臨床工学技士が介入し取り組んできたので報告する.
【取り組み】
臨床工学技士の介入前は,器材は診療科別の在庫管理となっており,同器材であっても重複して在庫管理しているなど過剰な在庫が存在していた.臨床工学技士の介入後は,診療科の枠に捉われず,在庫管理を一括管理とし共有できる器材については修理や更新となった際に有効活用し,コスト管理を徹底した.また同時に臨床工学技士として機器管理システム運用のノウハウを生かし,中央滅菌材料部における管理システムを用いた器材の登録情報の見直しやデータ管理することで修理や更新時の製品特定をスムーズにするなど管理を徹底した.その他にも洗浄装置,滅菌装置の保守状況の見直しや計画的な点検の実施,また滅菌保証のための施設評価ツールを用いた中央滅菌材料部の評価および運用の見直しをおこなった.
【効果】
管理方法の変更や過剰在庫の有効活用,さらには稼働率から適性定数を見直した結果,ダウンタイムの短縮,および器材の修理更新等,数年にわたり数百万円のコスト削減を実現することができた.また滅菌保証による施設評価ツールを用いた評価においてもD判定であったが,業務レベルを客観的に評価し,運用を見直すことでB判定まで改善することができた.
【結語】
中央滅菌材料部において,機器管理で知識や経験を有する臨床工学技士が介入することで,装置の保守管理はもちろんそれまでになかった視点で業務を見直すことでより質の高い管理や医療の提供につながった.