第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

洗浄

洗浄1

2024年6月21日(金) 13:10 〜 14:10 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:河野 太郎(古賀総合病院)

13:50 〜 14:00

[27] WD(ウォッシャーディスインフェクター)のバリデーション実施検証1

森 正史, 村松 裕樹, 村田 拡樹 (鈴与㈱ SUD 再製造事業準備室)

【はじめに】
昨今,洗浄の意識が高まってきている中で, RMDの適切な処理を目的としてWD(ウォッシャーディスインフェクター:以下WD)を用いて「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021(以下ガイドライン)」に準じたバリデーションを実施し検証したので報告する.
【事実】
現にQMSは各施設で制定されるが,WDの洗剤の選定および洗浄条件は既に販売業者により確定されている現状であることから割愛し,設備導入に伴いIOQ計画書を共同で立案作成した.
【方法】
2台のWDを導入し,ガイドライン記載の「CSSDにおけるバリデーションの流れ」に沿ってIQ(据付時適格性試験)の項目として,関連書類,本体寸法,設置状態,外観,付属品検査,ソフトウェア検査,本体校正の7項目.OQ(運転時適格性試験)の項目として,温度分布,導電率,洗浄インジケータ,羊血デバイスで3回運転する計画で実施した.尚,羊血デバイス試験は熱水工程を除外した.
【結果】
結果として,IQの検証項目は実測値で良否判定した.OQに関しては実測値と目視判定で確認した.温度分布範囲は20 ~ 93℃で,導電率,残留蛋白質も妥当な値であった.
【考察と結論】
考察として,WDのバリデーションは一人で実施するのは不可能である.販売業者と現場責任者および担当者で計画書を立案して実施すべきである.施設により対象処理品が異なることも考慮した計画が必要.また費用と時間の問題も解決しなければならない大きな課題である.今回,実施した所感として,先ず時間がかかる.設備を導入してPQに移行するまでは1~2日必要である.医療機関で当てはめると,今までの土日での設置/稼働は困難であり,PQを完了させての実稼働までは,最短でも3日は必要であると考える.