第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌

滅菌1

2024年6月21日(金) 14:40 〜 15:50 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷口 優樹(東京大学)

15:00 〜 15:10

[31] エアーコンプレッサー使用における滅菌品質への影響の検討

山本 遼太郎1,2, 花倉 かおり2, 山本 朱海2,3, 前田 龍哉4 (1.鹿児島市立病院 臨床工学科, 2.鹿児島滅菌供給を考える会, 3.鹿児島市立病院 看護部・中央手術部, 4.鹿児島市医師会病院 看護部 手術室)

滅菌における滅菌前工程での乾燥不良は,滅菌の質に大きくかかわることが知られている.エアガンを用い洗浄後の残留水分除去をお こなう施設も多いと思うが,エアーコンプレッサーを使用しエアガンとして使用する場合,コンプレッサーの凝縮水(ドレン)やダストの発
生が問題となる.
今回,エアーコンプレッサーを使用する際エアガン先端からのダストや凝縮水の発生量について検討をおこなったので報告する.
当施設では,RMDの再生処理工程の流れとして,用手洗浄(一次洗浄),WDなどによる機械洗浄,エアーによる乾燥,機材点検,滅菌梱包をおこない各種滅菌を実施しており,洗浄後の残留水分除去にエアガンを使用している.エアーコンプレッサーは日立製オイルフ リーエアーコンプレッサー 0.2LE-8SBを使用しており,エアガンの構成としては,エアーコンプレッサー本体,レギュレーター,エアホース,エアガン先端で構成されている.水分除去フィルタやエアドライヤーなどがないためエアガン先端より水が出てくることが度々ある.この水はドレンと呼ばれており,空気を圧縮する際に発生する水であり,この水分が洗浄後の機器に付着することで乾燥不良が起き,滅菌不良につながる可能性がある.
ドレンやダストの測定方法としてエアガン先端に中空糸膜フィルタを接続し,使用前後の重量を計測することによりエアガン先端へ出てくるドレン,ダストの量を計測した.
結果としては,使用前重量15g±0.6g,使用後重量23g±7gであり,使用開始前に比べ8g程度のドレンやダストの発生が認められた.
今回の結果より,ドレンやダストをなくすことにより滅菌不良の発生を軽減できることが考えられるため,水分除去フィルタやエアドライヤーを使用することが必要であると考察できる.