第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌

滅菌2

2024年6月22日(土) 11:00 〜 12:00 第1会場 (アネックスホール F201+F202)

座長:柴田義浩(国立病院機構再春医療センター)

11:20 〜 11:30

[71] 新規導入蒸気滅菌器のバリデーション報告

橋本 素乃, 足立 沢実, 青崎 宜子, 大塚 有紗, 岡田 紗英, 田中 美香, 久保田 英雄 (東京医科歯科大学病院 材料部)

病院増築による材料部移転に伴い,滅菌器は移設せず新規に導入したことから,RMDのPQについて再評価する必要性が生じた.そこで,蒸気滅菌のバリデーションについてメーカと協議し,ガイドラインの記載項目について可能な限り実施したので報告する.IQ(据付時適格性確認),OQ(運転時適格性確認)はメーカに実施依頼することから,滅菌器の仕様要件に含めることで調達をおこなった.PQの意義は日常的に使用するRMDを滅菌し,対象物が製品適格性を保持しつつ,滅菌条件を恒常的に満たすことができるか評価するものであるが,滅菌保証に関する実態調査報告書6によると蒸気滅菌器のIQは60%(n=452),OQは56%(n=438)と高い割合で実施していることが確認できる.一方,PQは33%(n=456)と実施している割合は低い.当院で蒸気滅菌のPQを実施したところ,5台中1台がOQで得られた結果との間に差異が確認された.当該機器を点検したところ,配管内(加熱側トラップ内)に初期配管内のゴミと思われる異物が付着していた.そこで,異物を取り除き,設定を再度見直した上でPQを実施したところ,規定した滅菌保持時間を維持することができ,課題の解決に至った.滅菌保証を確実に実践するためには,OQの結果を踏まえたPQの実施は欠かせないこと,また機器メーカの協力が必要であることが確認できた.