シンポジウム1 医療機器の使いやすさ（ユーザビリティ）から導く安全対策

[シンポジウム1] ヒューマンファクターズと医療機器開発

小山 和彦^1,2 (1.京都岡本記念病院 臨床工学部, 2.京都岡本記念病院 医療安全管理室)

医療機器がヒューマンファクターズを考慮されずに開発されたことで重篤な被害が発生したことがあった．現在では規格の適応もありユーザビリティエンジニアリングへの関心も高まり大きな医療事故に発展することは少ないが，より良い医療機器を開発するにはユーザである医療者がユーザビリティに対する理解を高める必要がある．
人間特性を考慮して医療機器を開発するにはユーザの参加（ユーザビリティテスト，インタビュー調査，アンケート調査など）が不可欠であるが，実施は限定的である．医療者が医療機器のユーザビリティの重要性を把握できていないことや，開発者が病院などで医療機器の使用する現場観察するための病院訪問にもハードルがあると考える．リサーチでは一人の権威の意見より複数人の専門家の意見を参考にすることが重要である．医療機器開発に協力することは患者のためそして医療従事者のためにも重要であると考える．