第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

教育講演

骨関節

教育講演1

骨関節1

2014年9月18日(木) 08:30 〜 09:30 第1会場 (5F 古今の間北・中)

座長:橘川薫(聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座)

[EL1-1] 転移性骨腫瘍のMRI-全脊椎、全身拡散強調画像の応用-

中西克之 (大阪府立成人病センター 放射線診断科)

全脊椎MRI、全身拡散強調画像(DWI)が開発され、臨床応用がなされるようになり、ほぼ10年が経つ。転移性骨腫瘍の正確迅速な診断は重要であり、MRIの比重は増している。演者らの施設の撮像法はT1強調画像とSTIR法の全脊椎矢状断像、DWIの下頚部から大腿骨近位を上肢を含めて横断像で、T1強調画像で同じく下頚部から大腿骨近位を冠状断像である。これら撮像法の詳細を紹介する。さらに本法は莫大な画像データが発生するため、これを検像し、読影環境を整える作業が重要となる。特にDWI横断面のデータを冠状断再構成を行ない、T1強調画像冠状断像を融合した画像は読影分析を大いに助け(図)、他科医師からも好評であるため必ず提供している。これら検像法や読影の手順等の詳細につき紹介する。全身MRIは骨シンチグラムと比較して骨転移病変の正診率が高いとの結果が得られている。またFDG-PETとの比較においても同等ないし正診率が高いとの結果が得られようとしている。これら我々の施設を含めた文献紹介を行なう。転移性骨腫瘍を検索する場合、当然脊椎転移の診断が最も重要である。椎体のみならず、椎弓、棘突起の異常信号を同定する事が重要である。脊椎骨に次いで骨盤骨、肩甲上腕などの病変を早期に検出することが病的骨折の予防等で重要となる。これらでMRIが病変の検出、治療方針を決める上で有用であった症例紹介を行なう。