第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

教育講演

縦隔

教育講演5

縦隔

2014年9月18日(木) 08:30 〜 09:30 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:岩澤多恵(神奈川県立循環器呼吸器病センター 放射線科)

[EL5-2] 縦隔腫瘍のMR診断Update:中及び後縦隔腫瘍

藪内英剛 (九州大学大学院医学研究院 保健学部門)

縦隔腫瘤に対する診断的アプローチとして、まずCTで解剖学的部位(前、中、後縦隔)を把握し、造影CTにより嚢胞性/充実性を区別することで、各部位における鑑別疾患が挙がる。更に内部性状(石灰化や脂肪の有無、内部増強の程度、辺縁性状、周囲臓器への浸潤、リンパ節腫大)、および臨床情報(年齢・性、血清学的マーカー、特徴的な合併症の有無)も併せて鑑別を絞り込んでいく。MRIは、嚢胞性/充実性の区別、微量の脂肪の検出、内部組織性状の推定(出血、壊死、被膜/隔壁、粘液基質、線維化、血流動態、拡散制限)等でCTに付加する情報が得られ、より精度の高い鑑別診断が可能である。充実性腫瘤の鑑別では、中縦隔ではリンパ節病変、食道病変、甲状腺腫瘍の縦隔進展、後縦隔では神経原性腫瘍(末梢神経、交感神経、傍神経節)、嚢胞性腫瘤の鑑別では、中縦隔では気管支原性嚢胞 、心膜嚢胞、食道重複嚢胞、後縦隔では、神経腸管嚢胞、髄膜瘤、嚢胞変性した神経鞘腫などがあがる。 本講演では、中縦隔(気管食道傍領域)、後縦隔(椎体傍領域)に好発する疾患のMR-病理所見対比、および頻度は低いがMR所見から鑑別に挙げることが可能ないくつかの疾患を呈示し、最近のMRIに関する知見も加えて解説する。