第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

頭部MRA

頭部MRA

2014年9月18日(木) 13:30 〜 14:10 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:青木茂樹(順天堂大学医学部 放射線診断学講座/順天堂大学大学院医学研究科 放射線医学)

[O-1-017] 1.5T装置でのCINEMA-STAR法の非造影dynamic MRAによる慢性期頭蓋内主幹動脈狭窄・閉塞の側副血行路の評価

土屋一洋1, 山下素幸1, 一坂秀一1, 依光美佐子1, 島谷直希1, 古閑元典1, 鈴木丈夫1, 武村濃2 (1.東京逓信病院 放射線科, 2.フィリップスエレクトロニクスジャパン)

【目的】CINEMA-STAR法はmultishot GRE-EPIによる多時相多スライスのASLを基にした非造影dynamic MRAで、高い時間分解能と短い撮像時間を特長とする。これまでは3Tでの有用性が報告されているが我々は1.5Tで本法を用い、頭蓋内主幹動脈狭窄・閉塞慢性期での側副血行路の評価の可能性を評価した。【方法】対象は2014年1-4月に既に内頸動脈あるいは中大脳動脈の狭窄・閉塞と診断され経過観察でMRIが施行された18症例(内頸動脈病変6例、中大脳動脈病変12例; 男11例、女7例; 30-92歳、平均63.3歳)である。1.5T装置(Philips, Achieva)にて通常のMRIと3D-TOF法のMRAに加え、CINEMA-STAR法dynamic MRAとASLでの灌流画像を追加施行した。CINEMA-STAR法dynamic MRAはTR/TE=200/11 ms、FA=35°、matrix=160x160、スライス厚=6 mm、スライス間隙=0.6 mm、スライス枚数=6、SENSE factor=2.3、加算=1、TI1/ΔTI/サイクル間隔=100/200/2000 msで10回の収集を9時相で行った。全体の撮像時間は4分52秒だった。2名の読影医の合議での視覚評価で3D-TOF法MRAとCINEMA-STAR法の側副路描出を比較した。またASL灌流画像(全例)ならびに脳血流SPECTが行われていた症例(10例)ではこれらとの比較も行った。【結果】3D-TOF法MRAとの比較では15/18例でCINEMA-STAR法の側副路描出が上回った。ASL灌流画像との比較では11/18例、SPECTとの比較では7/10例でCINEMA-STAR法が優っていた。【結論】1.5TでのCINEMA-STAR法のdynamic MRAは頭蓋内主幹動脈狭窄・閉塞慢性期病変の側副血行路評価で3D-TOF法MRA、ASLでの灌流画像、SPECTより優れ、短時間で無侵襲に撮像可能な利点は大きい。ただし後2者に比し、評価できる範囲が限られることが問題点として挙げられる。