第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

頭部-血流動態

頭部-血流動態

2014年9月18日(木) 14:10 〜 15:10 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:土屋一洋(東京逓信病院 放射線科)

[O-1-026] Silent-MRAによるステント内血流の可視化:頭蓋内ステント留置患者における初期検討

入江隆介1, 鈴木通真1, 高野直1, 堀正明1, 鎌形康司1, 高山三音子1, 吉田茉莉子1, 佐藤秀二1, 濱崎望1, 大石英則2,3, 山本宗孝2, 青木茂樹1 (1.順天堂大学医学部附属順天堂医院 放射線科・部, 2.順天堂大学医学部 脳神経外科学講座, 3.順天堂大学医学部 脳神経血管内治療学講座)

【目的】ステント内血流は,磁化率効果とステントによるラジオ波遮蔽のためTime-of-flight法を用いたMRA(TOF-MRA)では可視化が困難である.我々は「Silent Scan」を用いたMRA(Arterial spin labelingと組み合わせたultrashort echo time MRA;Silent-MRA)の応用を試みた.ステント併用コイル瘤内塞栓術で使用した頭蓋内ステント内の血流がSilent-MRAで可視化できるか検討した.【方法】頭蓋内ステントが使用された患者13例にSilent-MRAおよびTOF-MRAと,カテーテルを用いた血管造影(DSA)を実施した.2種類のMRAは3TのMR装置(GE HealthcareのDiscovery 750w)で撮像した.神経放射線科医2名がMRA画像を独立に評価し,DSA画像を基準としてステント内血流の見え方について主観的に1(見えない)~4(よく見える)の点数を付けた.重み付きκ係数で観察者間一致率を解析した.【結果】12/13例において2名の研究者両方がTOF-MRAよりもSilent-MRAに高い点数を付けた.2本のステントが重なっていた1例では,どちらのMRAも点数は1であった. TOF-MRAの点数は全例で1か2であったが,Silent-MRAの点数は10例で3または4であった.観察者間一致率は良好であった(κ=0.974).【結論】Silent-MRAは,TOF-MRAでは可視化が困難なステント内血流を可視化することができる