第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

肝臓-EOB

肝臓-EOB1

2014年9月18日(木) 09:30 〜 10:20 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:磯田裕義(京都大学大学院医学研究科 放射線医学講座)

[O-1-040] Navigator-gatingを用いたGd-EOB-DTPA造影MRIの臨床的有用性

小笠原豪1, 井上優介1, 松永敬二1, 藤井馨1, 秦博文2, 伊熊秀記3, 岩舘雄治4 (1.北里大学医学部 放射線科学画像診断学, 2.北里大学病院 放射線部, 3.北里大学東病院 放射線部, 4.GEヘルスケア・ジャパン)

【目的】
Gd-EOB-DTPA(EOB)造影MRIは通常呼吸停止下で撮像されるが、息止めが十分にできない患者ではモーションアーチファクトのために検出能や診断能が低下する可能性がある。本研究において、navigator-gatingを用いたEOB造影MRI肝細胞相の撮像を自然呼吸下で行い、息止め画像と同一患者内で比較した。
【方法】
肝腫瘍が存在するか疑われてEOB造影MRIが施行された80患者を対象とした。1.5T装置とLAVAを用いて、各患者において肝細胞相で3つの方法を用いて撮像した。方法1)呼気息止め、matrix 288x192、スライス厚4 mm、方法2)自然呼吸、navigator-gating使用、matrix 288x192、スライス厚4 mm、方法3)自然呼吸、navigator-gating使用、matrix 288x256、スライス厚1.8 mm。はじめに、肝細胞相以外のMR画像や他のモダリティ、臨床経過も参照して肝悪性腫瘍を同定した。別の画像診断専門医が独立してEOB造影MRI肝細胞相画像のみを用いて結節を検出し、そのうち悪性腫瘍と同定されていた結節について、明瞭さを視覚的に4段階に分類した。
【成績】
全例で3つの方法で診断可能な肝LAVA画像を収集できた。撮像時間は方法1が20秒、方法2が102.5±59.3秒、方法3が259.6±107.7秒であった。29患者において71悪性結節が同定され、検出率は3つの方法で同等だった。悪性結節の明瞭さは方法1、3、2の順に高かった。
【結論】
Navigator-gatingを用いたEOB造影MRIで、息止めが十分にできない患者でも良好に肝悪性腫瘍を検出できる。