第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

肝臓-脂肪評価

肝臓-脂肪評価

Thu. Sep 18, 2014 3:30 PM - 4:20 PM 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:蒲田敏文(金沢大学医学部 放射線科)

[O-1-067] 糖尿病または脂肪肝患者における1H-MR Spectroscopyを用いた膵臓脂肪含有率測定

吉丸大輔1, 茂木望1, 舟木歩1, 鈴木真2 (1.東京女子医科大学八千代医療センター 画像検査室, 2.東京女子医科大学 中央放射線部)

【目的】膵臓の脂肪沈着と糖尿病や脂肪肝との関係性を1H-MR Spectroscopyによる脂肪定量を用いて検討を行った.【方法】対象は糖尿病罹患者と脂肪性肝疾患者とし,さらに既往歴のないボランティアを含めた23症例である.撮像部位は肝臓,膵臓体部・頭部とした.Contaminationの評価として,自作の膵臓ファントムと脂肪含有率24%のファントムを油と水の中にそれぞれ沈めデータを収集した.さらに低い含有率の測定精度を評価するために含有率の低いファントムによる検討も行った.データ収集方法は,Single Voxel STAEM法(水抑制)を用いた.撮像条件はTR 2500ms(生体データを取る場合は呼吸同期なので,TRは1breath),TE 10ms,Voxel 10mm×10mm×20mm,NSA 64とした.使用装置はPhilips社製Achieva 3T,SENSE Cardiac coilを使用し,解析にはLCModelを用いた.【結果】ファントムのみ,さらに油の中,水の中それぞれに有意差はなく(p>0.05),誤差はそれぞれ0.79,0.78となり,Contaminationの影響は無いものとした.さらに含有率の低いファントム(脂肪含有率3.8%)においては誤差0.35で測定することができた.臨床結果は肝臓と膵臓の脂肪含有量には相関はなかった.膵体部において,内蔵脂肪が100 cm2以下のボランティアと糖尿病患者とで有為差があった(p<0.05).内蔵脂肪Vと皮下脂肪Sの割合(V/S)が0.4以上を内蔵脂肪型肥満と定義し,そのV/Sが0.4以上と以下との間にも膵体部で有為な差があった(p<0.05).全体として膵臓体部に比べ,頭部の脂肪含有率が高い傾向であった.【考察】肝臓の病体(繊維化など)が対象毎にに違う為に膵臓との相関がみられなかったのだと考えられる.BMIが高値でも膵臓の脂肪量が少ない場合があったが,測定結果より膵臓の脂肪化には内蔵脂肪型肥満が関係するものと考えられる.内蔵脂肪の増加とインスリン抵抗の関係が言われているが,内蔵脂肪の増加による膵臓の脂肪化の影響も考えられる.さらに膵臓の局所脂肪化は膵頭部より起こるとされているため,今回の結果はこれに一致するもの考えられる.【結語】膵臓の脂肪化には内蔵脂肪量と,内蔵脂肪型肥満が関係していることが示唆された.