[O-1-087] 乳がんの拡散強調MIP像におけるcomputed DWI:低ADCカットオフの有用性
【目的】乳がん術前広がり診断においてMIPの有用性はよく知られている。近年computed DWI(cDWI)にて高b値の拡散強調像を得ることができるようになった。しかしcDWIでは低ADCのピクセルが高輝度ノイズとしてMIP表示に問題を生じるので、これらをカットすることにより画質改善が得られるかを検討した。【方法】対象は当院で実施された乳房造影MRIのうち、病理学的に浸潤径1cm以上かつ乳管内進展2cm以上の12症例。3.0TMRIでb値0および800(sec/mm2)の拡散強調画像を撮影した。ワークステーション(Ziostation2)を用い、b値:1200と1500、ADCカットオフ:なし・<0・<0.4( x 10-3mm2/sec)、でのcDWIのMIP像を作成した。腫瘍/乳腺信号比を計測し、b値800のMIP像と比較し、repeated measures ANOVA法で有意性を検討した。【結果】カットオフなしでも仮想b値1200および1500の画像はb値800より平均信号比が高かった。低ADCカットオフを適用したほうが用いない画像よりも平均信号比が高かった。カットオフ値<0.4を用いた仮想b値1200および1500の画像はb値800の画像より有意に信号比が高かった(p<0.05)。また低ADCカットオフの副次効果として脂肪抑制不良部分の改善効果が得られた。【結論】乳がんの拡散強調MIP像において低ADCカットオフを用いたcDWIにより腫瘍/乳腺コントラストおよび画質を改善できる。