[O-1-107] 小児脳における静音3D-T1強調シーケンス、T1-PETRAの臨床的検討
目的:ほとんど撮像音のしないT1強調PETRAの小児脳臨床画像を評価する。症例と方法:保護者から書面で同意を得た小児の鎮静下脳MRI検査を施行後に追加鎮静なしでT1-PETRAを撮像し、当院ルーチンMPRAGE法と比較した。使用機種はSiemens Verio 3TでT1-PETRAシーケンスは技術的検討(別報)により決定、MPRAGEの撮像時間にできるだけ近づけて短縮し4分20秒とした。両画像の評価は、2名の放射線診断専門医が、横断像の側脳室下角レベルで1)側頭葉皮質下2)小脳白質、モンロー孔レベルで3)内包後脚前部4)脳梁膝部5)膨大部6)後頭葉皮質下7)前頭葉皮質下の髄鞘化を、近接する灰白質に対して4点法(0:低信号、1:等信号、2:やや高信号、3:高信号)で評価、ICC法により統計解析した。ガントリーから2.5mで両者の音圧測定を行った。結果:両シーケンス画像的評価可能であったのは56例(生後5日から14才、平均36.6ヶ月、中央値25ヶ月)。一部画像に軽度のmotion artifactを認めるものの、すべて評価に十分な画質(図、新生児例、上段PETRA,下段MPRAGE)が得られ、小脳白質を除いたすべての部位でICC valueはexcellent agreementと判断された(小脳白質では両読影者ともに95%以上でスコア3としたためICCでは判定不能)。平均音圧はBackgroud,53.4dB(A)に対し、MPRAGEが+34.0dB(A)、T1-PETRAは+4.8dB(A)であった。 結論:T1-PETRAはMPRAGEに比べ圧倒的に静かで、小児脳評価に十分な画質を提供する。