[O-1-116] FLAIR IRパルス印加厚の検討
【背景】FLAIRが発表された当初、拍動流によるIRパルスを受けていないCSFのスライス内流入によるアーチファクトが問題となっていた。1995年、FLAIRのパラメータ適正化作業中に2-package(2-p)で撮像するとアーチファクトの抑制効果があることを発見した。2-p ではIRパルスの厚みがスライス幅の2倍になるよう設計されていることがわかった。2-package FLAIR法によるCSFの信号及びアーチファクトの抑制(JSMRM 1996)IRパルスの印加厚はスライスの2倍までであり、アーチファクトはまだ残っていた。3倍以上のIRパルスの印加厚が必要と考え、PHILIPS オランダ本社にIRパルスの印加厚がpackage倍になるようにリクエスト。その後IRパルスの 印加厚をpackage倍に、つまり3倍以上にすることが可能になったMulti-package FLAIR法によるCSFの信号及びアーチファクトの抑制(JSMRM 1997)3-pが2-pより抑制効果が高いが、撮像時間が長くなるので、ルーチンでは使いにくい。【目的】今回3-p以上が使用できる環境にあると判断。最新の装置でIRパルスの印加厚はスライスの何倍がいいか、つまりどのpackage数が適当であるかを再検証した。【方法】1~5-packageの横断像FLAIRをボランティアにて撮像し、内耳レベルと三叉神経レベルの橋前槽の信号強度を測定、比較評価する。パラメータは出来る限り同じにし、撮像時間は2分程度とした。最適なTIは計算式にて求めた。【使用装置】Ingenia 3.0T R4.1.3 (PHILIPS) dS Torso coil(8channel)【結果・考察】今まではスライス厚の2倍のIRパルスの印加厚を使用した2-pが使用されてきたが、Parallel Technology (SENSE)、多チャンネルCoil、Digital Technologyなどの技術革新により2-p と同じ撮像時間でよりCSFのアーチファクト抑制効果の高い3-p FLAIRがルーチンで可能な時代になっている。3-package FLAIRが推奨される。