[O-1-118] 3D-g-factor mapを用いたCAIPIRINHAの最適化
【目的】Controlled Aliasing in Parallel Imaging Results IN Higher Acceleration (CAIPIRINHA)は3Dシーケンスにおける新しい2D-Parallel Imaging (PI) 技術であり、スライスエンコード方向にサンプリングシフトを行うことで従来の手法に比べエリアシングアーチファクトが低減され、より高いReduction factorの使用が可能となる。しかしながら、CAIPIRINHAの面内における画像特性に関する報告はされているが、スライスエンコード方向の報告は少ない。今回は自作ファントムを撮像し、3D-g-factor mapを作成してスライス方向を含めたCAIPIRINHAの画質を評価する。【方法】装置はSIEMENS社製 MAGNETOM Skyra、受信コイルはBody Matrixコイル、Spineコイルを使用した。腹部の撮像領域を想定した大きさのファントム (PVA+Gd-DTPA)を作成し、Reduction factor 2、3、4、6においてフェイズ方向とスライス方向のPAT-factorの組み合わせ、およびCAIPIRINHAのサンプリングシフト量Δを変化させて30回の連続撮像を行い、voxel-by-voxelで3D-SNR mapを作成した。その後、g-factor = SNRfull / (SNRPI×√Reduction factor) の式よりそれぞれ3D-g-factor mapを作成した。3D-g-factor mapのMPR画像による視覚評価、および算出されたg-factorを用いてスライス方向も含めた比較を行った。【結果】スライス方向のPAT-factorが3以上になると、CAIPIRINHAを使用しない場合 (Δ= 0) ではg-factorが非常に大きくなったが、CAIPIRINHAを用いることで画質が大きく改善した。今回の実験で得られた各Reduction factorのフェイズ×スライスのPAT-factorの組み合わせ、Δの最適値はReduction factor 2では 1×2 Δ1、Reduction factor 3では 1×3 Δ1、Reduction factor 4では 2×2 Δ1、Reduction factor 6では 3×2 Δ1となった。【結論】g-factorはコイルの感度や位置によって変化するため、コイルの使用条件下ごとに最適化する必要があり、g-factor mapを利用することで最適化できる。