第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

拡散-技術

拡散-技術

2014年9月19日(金) 09:30 〜 10:20 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:宮地利明(金沢大学医薬保健研究域 保健学系)

[O-2-136] Diffusion tensor imagingにおけるmulti-band factorが及ぼす影響の検討

野尻龍二1, 鶴島康晃1, 鎌田夕香1, 三原嵩大1, 堀正明2, 村田勝俊3 (1.健診会東京メディカルクリニック 放射線科, 2.順天堂大学医学部附属順天堂医院 放射線科, 3.シーメンス・ジャパン株式会社 イメージ&セラピー事業本部 リサーチ&コラボレーション部)

【目的】Multi-band EPIは同時に複数のRF送信を行い複数断面を一度に撮影する技術である。この技術を使用することにより同一TRで撮像可能なスライス枚数が増加するため、臨床応用可能な範囲で高空間分解能のDWIを得ることが可能になった。一方、Multi-band factor(以下MB factor)の増加に伴い、SNRの上昇があるが、展開エラーの増加も報告されている。本実験ではDiffusion tensor tractographyにおけるMB factorの及ぼす影響を検討した。【方法】SIEMENS社製MAGNETOM Skyra、32ch head-coilにて、Minnesota大学から提供されたMB-EPI Sequenceを使用し、TEは119.6ms(δ、Δは、MB1で28.4ms, 56.2ms、MB2, 3, 4で19.2ms, 59.5ms)に固定し(TR7500ms以上)、アスパラガスファントムと健常ボランティアをacceleration factor(以下PAT)2,MB factor1から4で撮影した。syngo Neuro3D を用いてファントムのSeed pointのFA、ADC、Tractの平均長を測定した。展開エラーがあるとそこでtrackingができなくなることを利用して、広範に広がるtractの平均長にてSNRや展開エラーの影響を評価することにした。健常ボランティアでは橋にROIを置きFA、ADCを計測し、そのROIをSeed pointとしてdiffusion tensor tractgraphyを作成、Tractの平均長を測定した。【結果】MB factorの増加に伴い、FA、ADCはファントム、ボランティアともに増加傾向にあった。Tractの平均長はボランティアにおいてMB-factor1より2で上昇傾向がみられ, 3,4では下降傾向がみられた。【考察・結語】ADC、FA共に上昇傾向にあるのは画像展開によるSNRの上昇が影響したものと考えられる。平均長がMB-factor1から2で上がるのはSNRの、それ以降でFAの上昇にもかかわらず低下するのは展開エラーの影響が考えられた。 適切なパラメータ設定が必要と考えられた。