第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

拡散-技術

拡散-技術

2014年9月19日(金) 09:30 〜 10:20 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:宮地利明(金沢大学医薬保健研究域 保健学系)

[O-2-137] 多スライス同時励起Slice accelerated DWIにおける頭部ADC値の評価

池野寛康1, 阿部貴之2, 中川稔章1, 浦野雅史1 (1.京都府立医科大学附属病院 放射線部, 2.シーメンスジャパン株式会社 リサーチ&コラボレーション部)

【目的】当院に多スライス同時励起可能なSlice accelerated DWI(WIP)が導入された.Slice accelerated DWIは,マルチスライスを同時に励起できるため,同一スライスでTRを短縮することができる.今回,ルーチンDWIの撮影時間短縮を目的に,従来のDWIとSlice accelerated DWIを比較し,質的な部分(今回はADC値)を評価した.【方法】対象は6名の同意を得た健常人ボランティアで,使用装置は3-T Skyra(シーメンス社)である.使用コイルは32ch Headを用いた.Conventional single shot EPI(以下conventional)とslice accelerated single shot EPI(以下Acc)をそれぞれ撮像した.Slice acceleration factorは2である.一般のマルチスライス撮影手法と同時励起によるマルチスライス撮影手法以外の影響を排除するために.Slice acceleration factor以外の条件を同一にして撮影した.また,slice accelerated EPIについては,可能な最短TRでも撮影した.得られたADCマップ上の白質に6つのROIをおきADC値の平均値と標準偏差を測定した.両者のADC値の平均値を用いて散布図を作成し,相関係数を算出した.ADC値と相対SNR(ROI内のmean/ROI内のSDで定義)を評価した.ADC値は多点b値による直線回帰で求めた.また,Bland Altman解析でも評価した.撮像条件は次の通りTR{conventional&TR固定:6100,accel factor2:3000},TE:80,iPAT:2,matrix:110,b値(0,400,800,1000) TA{conventional: 1:50,TR固定:1:43,TR最短(accel factor2: 0:59)【結果】相関係数 TR固定:0.7263,TR最短:0.7178 相対SNR (conventional,TR固定,TR最短:5.9770,3.2389,4.1307)【結論】Accel factor2では線形相関性が確認できた.今後は時間短縮だけでなく短いscan timeでの高分解能化やスライス枚数の増加などを考慮に入れていきたい.