第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

拡散-基礎

拡散-基礎1

2014年9月19日(金) 10:20 〜 11:20 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:増谷佳孝(広島市立大学大学院情報科学研究科)

[O-2-143] 正中神経を標的とした拡散テンソル画像の撮像条件についての基礎的検討一報

曽川将宏1, 戸澤光行1, 中澤博行1, 稲岡努2, 寺田一志2 (1.東邦大学医療センター佐倉病院 中央放射線部, 2.東邦大学医療センター佐倉病院 放射線科)

【目的】正中神経を標的とした拡散テンソル画像を撮像する際の至適撮像条件についてFA値及びトラクトグラフィの描出をもとに検討する。
【方法】撮像機種はSIEMENS社製Magnetom Skyra 3T、32ch Head coilを使用した。自作したアスパラガス入り寒天ファントムを用いて撮像条件を変更して撮像した。FA mapからアスパラガスにROIを3つ設定してFA値を計測し、平均FA値を算出して諸条件について比較検討した。検討条件は、1.b値(1000、1200、1600、2000、2500、3000、3500)、2.加算回数(1、2、3、4、5)、3.MPG印加軸数(6、10、12、20、30)とした。更にトラクトグラフィを描き、視覚評価(密度、連続性)を行った。
【結果】1.b値は1000から3500まで変化させると2000でFA値は最も高かった。2.加算回数は1から5まで変化させるとFA値は1で高い値となり、2以上ではあまり変化がなかった。3.MPG印加軸数は6から30まで変化させるとFA値は6で高い値となり、10以上ではあまり変化がなかった。トラクトグラフィでは、b値では2000、加算回数では3以上、MPG印加軸数は高いほどより鮮明な画像が得られた。
【考察】FA値はb値、加算回数、印加軸数によって変化するが、加算回数とMPG印加軸数を上げていくと撮像時間も延長するため、許容される撮像時間での設定が必要になると考える。また、加算回数1やMPG印加軸数6ではノイズによる影響を受けている可能性があると思われた。トラクトグラフィの描出は、単純にFA値を反映したものではないと考えられた。
【結論】FA値はb値、加算回数、MPG印加軸数によって変化した。また、トラクトグラフィの描出についてもb値、加算回数、MPG印加軸数は影響した。