[O-2-150] 非造影下肢MR-Angiography法の画質改善における基礎的検討
【目的】当院ではASOが疑われる患者に対して、心電図同期3D-TSEを用いた拡張期から収縮期を差分する非造影下肢MRangiographyを施行しているが、良好な差分画像が得られないことが多い。この原因として、収縮期画像にて動脈が均一にflow voidしていないことが考えられた。そこで、動脈を想定した脈管内の信号が均一にflow voidする撮像条件を求めるため、フローファントムを用いて、flip angle (FA)とflip angle modeを変化して得られた画像を比較検討するとともに、臨床的な有用性について検討した。【方法】MR装置はMAGNETOM Avant1.5T(siemens社製)。フローファントムの流速を15cm/sec~75cm/secと変化したときに、constant modeと PDvar modeを用いて、FAを180~100degと変化して撮像した場合のファント画像の信号強度を比較した。この結果をもとに臨床画像での検討も行った。【結果】フローファントムを用いたconstantモードでは、流速30cm/sec以下ではFA100以下、30~65cm/secではFA120~110以下、65~75cm/secでFA140~130以下で、また、PDvarで撮像した場合は全速度において比較的均一にflow voidした画像が得られた。臨床画像においてもPDvarを用いた場合は血管走行が複雑な部位においても良好に描出できた。【結論】 flip angle mode のPDvarを用いることで全速度において比較的良好な動脈画像が得られた。