第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

fMRI-知覚

fMRI-知覚

2014年9月19日(金) 13:40 〜 14:20 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:樋口敏宏(明治国際医療大学 脳神経外科学)

[O-2-153] Functional MRIを用いた嚥下運動の賦活化部位の検討

勝浦尭之1, 安藤久美子1, 若田ゆき1, 石藏礼一1, 廣田省三1, 野崎園子2, 芳川浩男2 (1.兵庫医科大学病院 放射線科, 2.兵庫医科大学病院 神経内科)

目的:メトロノーム音をトリガーとする嚥下運動訓練が、パーキンソン患者において嚥下機能を改善する事が報告されている。本研究の目的は、メトロノーム音トリガーの有無による嚥下運動における正常ボランティアのfunctional MRI(f-MRI)の賦活領域の変化を明らかにすることである。方法:対象は健常者10名。全例で3T MRIを用いて、安静時対水嚥下、安静時対メトロノーム音、安静時対メトロノーム音トリガーによる水嚥下(メトロノーム音6回に一回嚥下)のf-MRI(shingle shot EPI,FOV:240,Matrix:80*80,slice:3.13mm*45slice,TR/TE:3000/35msec,FA:90,Fat suppression:SPIR,1dynamic:3sec,80dynamic,rest/task:10/10dyn)データを取得、SPMを用いて賦活領域を同定,比較検討した。結果: 安静時対水嚥下では右中心前回、両側中心後回、左中側頭回、視覚野に賦活化がみられた。安静時対メトロノーム音では両側前頭回、両側縁上回、両側下側頭回、右小脳半球に賦活化がみられた。安静時対メトロノーム音トリガーによる水嚥下では左broca野、右下前頭回に賦活がみられたが、他の二つのtaskに比して賦活野が小さかった。結論: 安静時対メトロノーム音トリガー水嚥下では、水嚥下のみに比してf-MRIでの賦活野が少ない。メトロノーム音トリガーにより、1.嚥下運動の賦活野が抑制された可能性、2.脳の多くの部位が賦活され、局所的賦活領域がf-MRIで特定できなった可能性が考えられる。