第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

磁化率画像

磁化率画像2

2014年9月19日(金) 10:30 〜 11:10 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:米田哲也(熊本大学大学院生命科学研究部 医療技術科学講座)

[O-2-178] 1.5Tにおける脳内鉄分布の画像化

三森文行, 渡邉英宏, 高屋展宏 (国立環境研究所)

【はじめに】これまで4.7Tの高磁場MRIを用いてヒト脳の鉄分布画像が得られることを示してきた[1]。しかし、横緩和速度が脳局所の鉄濃度 [Fe]、高分子量成分fMの線形結合で示されるという実験式は1.5、3、7Tでも求められており[2]、いずれの磁場強度でも鉄分布画像を得ることが可能である。本発表では1.5Tの測定から鉄分布画像を作成し、4.7Tの結果と比較した。【方法】4.7T磁石の超伝導電流をさげて1.5Tとし64MHzで測定を行った。被験者は、31歳~60歳の男女健常者12名で、脳のT2及びM0マップはMASE法により測定した。M0マップはB1-補正せず、水分布マップ fw、fMマップに変換し、R2 = 0.15[Fe] + 21.5fM + 6.67の関係式 [2] を用いて鉄分布画像を作成した。【結果と考察】図に同一被験者の1.5T、4.7Tで得られた鉄分布画像を比較する。1.5Tでも鉄濃度は大脳基底核、後頭葉皮質で高く、内包後脚で低いという4.7Tでの結果と良く似た結果が得られた。しかし、1.5Tでは4.7Tに比較して白質部で粗な分布画像となっている。これは、1.5Tでは横緩和速度に対する鉄の寄与が小さく、鉄画像を求める際の差し引き誤差が大きくなることに由来すると考えられる。【文献】[1] 三森ほか, 日本磁気共鳴医学会雑誌, 32S, O-2-133 (2012), 同33S, O-2-210 (2013). [2] Mitsumori F et al, MRM, 68, 947 (2012).図 (a) 1.5T, (b) 4.7Tで得た同一の健常被験者脳の鉄分布画像. 0~20mg Fe/100g fr. wt.