第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

肝臓-評価

肝臓-評価

2014年9月19日(金) 13:40 〜 14:30 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:村上卓道(近畿大学医学部 放射線診断学教室)

[O-2-187] Stretched version Adiabatic Spin lockパルスによるT1rho肝機能評価

奥秋知幸1, 高山幸久2, 西江昭弘3, 本田浩3, 小原真4, 荻野徹男4, Van Cauteren Marc1 (1.Philips Healthcare AsiaPacific, 2.九州大学医学研究院 分子イメージング・診断学, 3.九州大学医学研究院 臨床放射線科学, 4.フィリップスエレクトロニクスジャパン)

【目的】T1rho値は軟骨、変性疾患および肝機能や肝線維化の臨床応用が報告されている。T1rhoで用いられるSpin lock(SL)パルスには、Blockパルスが用いられることが多いものの、肝臓領域への応用を考えた場合、BlockパルスはRFの不均一を生じやすいためアーチファクトが発生しやすい。昨年、我々はSLパルスstretched version adiabatic pulseを用いたT1rho mappingの開発を行った。このパルスを用い肝臓領域に応用するとともに、肝機能評価の有用性について検討を行った。【方法】Philips社製3T装置を用い、blockパルスおよびstretched version adiabaticパルスでSLパルスを作成した。BlockパルスでのSLパルスは11.7μT, 500Hz、Time of spin lock pulse(TSL)は、TSL=1,20,40msとした。また、stretched version adiabaticパルスにはHS8パルスを用い、B1:13.48μT 、Frequency sweep : 1273.2 Hz、TSL =0,20,40ms とした。対象症例はChild-Pugh A: 33名(age range:40-83, Mean63.4)、Child-Pugh BorC :7名(age range:43-74, Mean61.3)とし、normal liverとしてボランティア5名(age range:29-44,Mean34.8)とした。SLパルスの不均一については視覚評価での評価を行い、T1rho値については、各SLパルスと肝機能についてKruskal-Wallis methodを用いて比較を行った。【結果】AdiabaticパルスとBlockパルスによる視覚評価では優位にadiabaticパルスがRF不均一の改善がみられた。また、adiabaticパルスによるT1rho値ではChilid-Pugh BCグループとNormal間、Chilid-PughAと Chilid-Pugh BC間に優位差が見られた。【結論】 Stretched version adiabaticパルスをSLパルスとしてT1rho値の測定に用いた。RF不均一による影響が減少するとともにTSL設定の自由度が広がり、肝機能・肝線維化の評価における有用性が確認された。