第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

MRE

MRE

2014年9月19日(金) 15:40 〜 16:10 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:菅幹生(千葉大学 フロンティア医工学センター)

[O-2-198] MREの再現性を高める加振パッド固定強度の選択

大西孝明1, 沼野智一1,2,3, 伊東大輝1, 水原和行4, 高本考一5, 西条寿夫5, 本間一弘3 (1.首都大学東京 健康福祉学部放射線学科, 2.首都大学東京大学院人間健康科学研究科 放射線科学域, 3.産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 4.東京電機大学工学部, 5.富山大学医学薬学研究部)

[目的]本研究の目的は,加振パッドの固定技術がMRエラストグラフィ(MRE)に及ぼす影響を検証することにある. MREを施行する際,加振パッドの接触不良によって振動エネルギーが加振対象に伝わらず,正確な弾性率の算出ができない可能性がある. よって本研究では,加振パッド固定強度がMREに及ぼす影響を検討した. [方法]領域によって硬さが異なるアガロースファントムと大腰筋を対象にしたvolunteer studyを実施した. どちらの撮像対象も,加振パッドとマンシェットをバンドで包むように固定し,マンシェットの空気圧を調整することで固定強度を可変できる構造にした. 実験には3.0T臨床機のグラディエントエコー型マルチエコー法で撮像を行い,音圧式加振器でファントム:100Hz,大腰筋:50Hzの振動を加えた. 本研究は倫理委員会の承認を得ている.[結果・考察]ファントム実験では,パッドの固定強度を変化させると弾性率に変化が生じた. 固定強度が増えたことにより,ファントムが体積圧縮を起こし,弾性率が変化した可能性がある. 大腰筋volunteer studyでは,固定強度の増加に伴う振動エネルギーの上昇が見られた(wave imageの各プロファイルデータを表示). なお,弾性率は変化しなかった. MREは伝播波の波長から弾性率を算出するので,撮像関心領域に適正量の振動エネルギーを加えて,伝播波を可視化する必要がある. 再現性の高いMREを実施するためには,パッドの適切な強度での固定が必要である.