第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

シーケンス

シーケンス2

2014年9月19日(金) 10:20 〜 11:10 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:松田哲也(京都大学大学院情報学研究科 システム科学専攻)

[O-2-212] 送信感度および静磁場不均一に鈍感な血管壁イメージング用Flow Saturation Prep pulseの検討

三好光晴1, 池崎吉和2, 椛沢宏之1 (1.GEヘルスケアジャパン(株) 研究開発部, 2.GEヘルスケアジャパン(株) MR技術部)

【目的】血管壁イメージングにおいて、血液信号抑制の目的でFlow Saturation Preparation (FSP, Motion sensitized driving equilibrium, MSDE) pulseが用いられている。FSPでは、Spin Echo (SE)法RFを印加する前後にvelocity encode gradientを印加することで血流信号を抑制できる。しかし、Single SE法では180度 refocus pulseが送信感度不均一(ΔB1)に敏感であるため、信号ムラが発生する場合がある。Wang等1)のDual SE法は、ΔB1に鈍感であるが、CPMG条件を保っていないために静磁場不均一(ΔB0)に対して敏感となっている。本研究ではΔB1に鈍感なComposite RF pulse 2)を用いたSingle SE法FSPを検討する。【方法】本方法では、Single SE法のFSPにComposite pulseを応用した。まず、Single SE法、Dual SE法、本方法のΔB1,ΔB0感度をシミュレーションした。次に、ΔB1,ΔB0の影響がわかりやすい塩化ニッケルphantomを上記3方法を用いて撮像した。データ収集シーケンスは3D FSE with Variable Refocus Flip angle (Cube)を使用し、各FSP画像とFSP off画像で信号強度分布を比較した。撮像には3T装置(MR750w, GE)を使用した。【結果】シミュレーションの結果、Dual SE法では、CPMG条件を保った場合はΔB1の影響で信号ムラが発生し、保たない場合はΔB1とΔB0が混在する場所で信号ムラが発生するが、両方に対して鈍感な条件は見つけられなかった。Single SE法はΔB1の影響を受けた。Composite RF pulseを用いた本方法ではΔB1,ΔB0に対して鈍感となった。Phantomでもほぼ同様の結果が得られた。【考察】Single SE法はΔB0を補正できるため、これにComposite pulseを応用することでΔB1にも鈍感にできると考えられる。Single SE法を用いているため、T2減衰時間も10msec程度と短く、T1コントラストでも使用することができる。【参考文献】1). Wang J. et al., JMRI 31(5), p1256-1263 (2010). 2).Levitt MH, JMR 48, 234-264 (1982).