[O-2-216] SNRと静磁場不均一を考慮した領域拡張法による水脂肪分離法の安定性向上
【目的】水脂肪分離法の水と脂肪の分離を安定化するためにはフェーズラップを除去した静磁場マップを作成する必要がある。今回我々は静磁場マップを作成する処理として、SNRの低い領域や静磁場不均一の大きい領域を避けてフェーズラップする新たな領域拡張法を検討した。【方法】使用装置は1.5T装置とし、本検討の意義を説明し、同意を得た健常ボランティアで取得したデータを用いた。フェーズアンラップ処理は、開始ピクセルから隣接するピクセルを順番にフェーズアンラップする方法(以下、方法1)と、隣接するピクセルの内積をSNRが高く静磁場不均一が小さいピクセルの指標とし、開始ピクセルから内積の大きいピクセルを順番にフェーズアンラップする方法(以下、方法2)とを比較した。【結果】方法1でフェーズラップが発生するケースでも、方法2ではフェーズラップが発生しなかった。【考察・結論】領域拡張法において、SNRが低い領域や、静磁場不均一が大きく位相変化の大きい領域で位相の連続性の判断に失敗しフェーズラップが発生すると考えられる。方法2では、水脂肪分離法による水と脂肪の分離の安定性を向上することができた。