[O-2-219] 脂肪信号除去処理による円柱励起ナビゲータエコー体動検出の安定化
【目的】円柱励起ナビゲータエコーは、低フリップ角を用いることでイメージング用データにダークバンドなどの影響を与えずに短時間で呼吸情報を得ることができ、ナビゲータゲーティングを用いた自由呼吸腹部T1強調撮像などに応用することができる。しかし、円柱励起に用いる二次元選択励起法はB0不均一に対し感受性が高く、特に3Tではナビゲータの設定位置が不適切な場合などに横隔膜から離れた皮下脂肪が励起されることがある。皮下脂肪信号は本来ナビゲータ信号に不要で、その混入は体動検出を不正確にし、画質の劣化につながる。本研究は円柱励起ナビゲータエコー信号中の脂肪信号除去処理を行い、体動検出を安定化させることを目的とする。
【方法】[ナビゲータエコー信号処理]ナビゲータエコー信号に含まれる脂肪信号は、体表付近の受信コイル位相が変化しやすい位置で励起されるものが多い。よって、ナビゲータエコー中の脂肪信号は位相が変化しやすいという性質を利用し、各コイルエレメントで位相信号を用いたエッジ検出を行い、エッジより上方の信号は脂肪であるとみなして強度をゼロとする処理を行った。脂肪信号除去処理を行った各コイルエレメントのデータはroot-mean-square(RMS)で合成し、least-squares(LSQ)法によって体動検出を行った。[撮像装置および条件]用いた装置はGE Healthcare社製3T MR装置で、シーケンスは脂肪抑制を行っていないナビゲータゲーティング 3D SPGRを用いて撮像を行った。健常ボランティアによる撮像評価では、文書によるインフォームド・コンセントを取得した。
【結果】31例のナビゲータエコーデータのうち、脂肪信号除去処理なしでも良好に体動検出ができた25例では、除去処理を施しても良好な検出がなされた。脂肪信号除去処理なしで体動検出が不良であった6例では、5例で体動検出が改善された。
【結論】ナビゲータエコー法における脂肪信号除去処理は、3Tのナビゲータゲーティング撮像において体動検出を安定化させた。
【方法】[ナビゲータエコー信号処理]ナビゲータエコー信号に含まれる脂肪信号は、体表付近の受信コイル位相が変化しやすい位置で励起されるものが多い。よって、ナビゲータエコー中の脂肪信号は位相が変化しやすいという性質を利用し、各コイルエレメントで位相信号を用いたエッジ検出を行い、エッジより上方の信号は脂肪であるとみなして強度をゼロとする処理を行った。脂肪信号除去処理を行った各コイルエレメントのデータはroot-mean-square(RMS)で合成し、least-squares(LSQ)法によって体動検出を行った。[撮像装置および条件]用いた装置はGE Healthcare社製3T MR装置で、シーケンスは脂肪抑制を行っていないナビゲータゲーティング 3D SPGRを用いて撮像を行った。健常ボランティアによる撮像評価では、文書によるインフォームド・コンセントを取得した。
【結果】31例のナビゲータエコーデータのうち、脂肪信号除去処理なしでも良好に体動検出ができた25例では、除去処理を施しても良好な検出がなされた。脂肪信号除去処理なしで体動検出が不良であった6例では、5例で体動検出が改善された。
【結論】ナビゲータエコー法における脂肪信号除去処理は、3Tのナビゲータゲーティング撮像において体動検出を安定化させた。