第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

心大血管基礎

心大血管基礎

2014年9月19日(金) 13:40 〜 14:20 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:上口貴志(情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター)

[O-2-223] 各種腹部大動脈ステントグラフトのメタルアーチファクトがMRI画像に及ぼす影響

三浦賢征1, 梶田公博1, 五島聡2, 渡邊春夫4, 川田紘資2, 前田祥吾1, 山口香織1, 大橋佑介1, 八重樫良平1, 加藤大輝1, 庄田真一1, 野田佳史2, 近藤浩史2, 岡田仁志1, 兼松雅之1,2,3 (1.岐阜大学医学部附属病院 放射線部, 2.岐阜大学医学部附属病院 放射線科, 3.岐阜大学医学部附属病院 高次画像センター, 4.岐阜中央病院 PETセンター)

【背景】腹部大動脈瘤ステントグラフト留置後の経過観察において非造影MRAが造影CTA の代替的手法となれば放射線被ばくや造影剤使用の観点において多くのメリットが見込まれる。しかし、ステントのメタルアーチファクトが非造影MRA画像に悪影響を及ぼすことが懸念される。【目的】腹部大動脈瘤に対するステント内挿術に用いられる4種類のステントグラフトについて、それぞれのメタルアーチファクトの大きさをファントム実験にて計測する。【方法】対象はエンデュラント ステントグラフトシステム、エクスクルーダー Y字型ステントグラフトシステム、パワーリンク ステントグラフトシステム、クックゼニス AAAエンドバスキュラーグラフトの4種類とした。各々のステントグラフトを水中で固定し、ステントグラフトのメインボディ部及びレッグ部をBalanced Turbo Field Echo (TR/TE 2.8/1.39, flip angle 80°, matrix 192×256 , slice thickness/gap 6/-2 mm)にて横断像で撮像し、アーチファクトの領域を含むステント外径をImageJ及びWorkstation(GE healthcare社製 Advantage windows4.2)を用いて測定した。次に測定値をそれぞれのステントの実測値で除し、アーチファクトの拡大率を求め比較した。【結果】ImageJによるレッグ部及びメインボディ部の拡大率はエンデュラントでは116%、108%、エクスクルーダーでは124%、110%、パワーリンクの非接合部では123%、125%、接合部では142%、135%であった。 またWorkstationによるレッグ部及びメインボディ部の拡大率はエンデュラントでは116%、111%、エクスクルーダーでは127%、113%、Power Linkの非接合部では126%、127%、接合部では143%、137%であった。ゼニスは強いアーチファクトのためImageJ、Workstation共に計測は不可能であった。【結語】メタルアーチファクトの影響はステントグラフトの種類によって大きく異なり、最もアーチファクトが小さいのはエンデュラント ステントグラフトシステムであった。